《中国残留孤児》という呼び名について  
                                                             '98.8 (中国帰国者問題同友会)

◆《残留孤児》という言葉は昭49年に世に出たと思われる 
                                                  (朝日-[連載・残留孤児-空白の戦後]-86・3・7)
 「30年目の肉親捜し」 日本側の家族が会を結成、 8月を『中国残留日本人孤児を
捜す月』として情報集めに乗り出した                                         (朝日-昭49・8・9)
・・・厚生省も翌9月、「中国に残留する孤児の調査について」 との文書を都道府県知事に発した。

◆ 厚生省-『《中共引揚孤児》対策要綱』              (昭28・3) (続・続 引揚援護の記録 P-92)

◆ 厚生省ー『《中国残留日本人孤児》として肉親捜し調査の対象』となる要件 
                                                             (「中国残留孤児白書」 昭62ーP17)
① 戸籍の有無にかかわらず、日本人を両親として出生したもの 
② 中国東北地区などにおいて、昭20・8・9以降の混乱により、保護者と生別又は死別した者 
③ 当時の年齢が概ね13歳未満 
④ 本人が自己の身元を知らない者 
⑤ 当時から中国に残留し、成長した者

◆ 日中両国政府 『口上書』(昭59・3・17) 
     日本文 《中国残留日本人孤児》     中国文 《孤児》

◆ 中国側用例 『公証書』=《日本血統的孤児》 《戦後遺留在中国的日本孤児》 

◆ 中曽根首相→山本慈昭(日中友好手をつなぐ会会長) 「いい呼び名ないか」 
         定着してしまったが実態にそぐわない、                       (毎日[論説ノート]-83・2・21)

◆ [国会] 衆議院・外務委員会(昭59・3・2)
         渡部(一)委員― 中曽根総理が予算委員会で新しい名称を提案したが同感
         安倍外相-中曽根総理の 《残留邦人》《同胞》 提案賛成・・・政府として統一したい
 
◇ 《中国残留婦人》= 厚生省等の正式呼称ではない。 成人中国残留邦人の殆どが『女子』であり、
                      男子は希なので、 《残留婦人》が定着した。

◇ 《中国残留邦人》=日弁連ー『中国残留邦人に関する人権侵害決議』
                                                              (84・3・20)

◆ 《中国残留邦人》=『帰国・自立支援法』(平成6・法30)
 

§ 《日中孤児》日中孤児問題連合会 特集-「日中孤児問題と私たち」
                                                        『日中』'78・1号-日中書林刊(77・12・15) 

§ ポール・ボネ 『孤児報道の身勝手』                     『ムッシュ・ボネの日本日記』 ダイヤモンド社(82)
              《孤児》と呼ぶのは間違い、
              《捨子、中国人に渡した子》 あるいは 《養育を委任した子》

§ 《日系中国人》の新呼称に、 神奈川県日中友好協会→外務省、厚生省に提案
  《日系中国人》か《日本人の血統を引く中国人》と改める。 永住帰国は特別
                 の事情ある場合に限る。 相互往来が好ましい。              (神奈川新聞-83・8・11)

   《日系中国人》 は不適当である。日本人の資格奪う 人権侵害 。
                                 [神奈川孤児連]→神奈川県友好協会協提言に抗議 (朝日-83・9・7)
   《日系中国人》 は不適当。
               『永住帰国は特別な場合に限る』は問題の本質をそらし、残酷でさえある 。 
                                 [孤児全協] 申し入れ→神奈川県日中友好協会         (83・9・30)

§ [論壇] 残留孤児呼称は《日系中国人》に。孤児の持つ中国文化の受入れを。
                                                               (二世・大久保明男 (朝日-97・8・12)
   [論壇] 《日系中国人》に変更は反対、孤児は『中国人』ではなく『日本人』。  
              さらに孤児問題の根幹にもかかわる 。                          (庵谷磐 (朝日-・9・3)

§ [よみうり寸評] 若い女性弁護士の言-50才近い、養父母に失礼、日本人の生み
   の親だけが本当の親との意識が残っている。 当初 《満州孤児》、《中国帰国
   孤児》。スッキリするのは 《帰国日系中国人》                                       (読売-85・2・19)

§ [論点] 長い《養子》としての歳月、中国《孤児》に別の観点をー
                      (東方科学技術協力会会長 伊藤武雄)                        (読売-83・12・18)

§ [投書欄] 《残留二世》《残留孤人》-(毎日-83・3・1)、《孤児》と呼ぶのやめよう-(朝日-・3・3)
  《残留孤児に代わる呼び方を》 余りに痛々しい 立派な大人-(毎日-84・12・4)
  《残留孤児》は気になる言葉。 暗い。養父母の心、教養・人格を作り上げた中国疎外-(朝日-12・10)
  《残された日本人》『残留』の呼称に中国孤児の悲劇-(読売-85・2・27)
  《中国未帰還同胞》-(毎日-86・3・1)、
 《中国残留日本人の肉親捜しの方々》-(東京-6・22)、 《同胞》-(読売-94・12・6)

§ [コラム] 《中国の日系人》 中国戸籍簿・諸民族に『大和族』追加公認との推測
   が流れたがそうではないらしい                                                 (朝日-84・3・23)

§ [解説] なぜ《中国残留孤児》 波紋広げる呼称論争 成人に不自然 「暗い」
   の声も                                                                        (共同-85・4・1)

§ [よみうり寸評] 成人を孤児はおかしい 《孤老》、《孤客-(旅の人)》。 
                                                                                (読売-86・2・19)
§ [アンケート] 訪日調査・10次、72人に聞く                                              (朝日-86・3・9)
      『残留孤児と呼ばれること』 
             異存無し派-22人、   どうでもいい派-相当数、   違和感派-24人 
      『対案』 《遺留中国日本人》《留華日本人》《日 僑》《在華遺孤》

§ [文化]   安岡章太郎 《孤児》 は不適切                                         (読売-86・8・15)

§ 《残留》ではない。置き去った主体は国家。 
   《孤児》 年齢にそぐはないし、養父母に礼を失する。・・不自然な呼び名が与えられている背後に問題がある。
    ことばそのものが、戦後40年の歴史をきびしく問いかける。
          (井出孫六 『蒼氓は今もなお・・・』-「残留孤児」 その歴史と現在ー
                              『終わりなき旅』                         (<世界>連載第一回、 85・6)
   公用語になった《中国残留日本人孤児》の曖昧ー井出孫六  
                                                                          (朝日ジャーナルー'86・5・30)
§ 『《戦争孤児》という日系日本人』-(山崎豊子 『大地の子』) 
                                                                            (週刊文春-93・11・25)
§ 我らは《残留孤児》ではない、《遺華日本人孤児》の呼称を強く求める。 
                                   中国帰国者扶桑同心会                        (<同心>-97・12・1)
 

◇ 《二・三世》→《中国日裔青年》ー中国で育った日本人の末裔に当たる青年
              (同人紙ー『北辰』大久保昭男)                         (朝日-96・9・5、信濃毎日-97・1・7)

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