〔裏磐梯〕

  福島県北部,磐梯山の北方に広がる高原。裏磐梯高原ともいう。耶麻郡北塩原村と猪苗代町にまたがる。標高800m前後の泥流丘陵と,その間に大小100余の湖沼が散在する景勝地で,磐梯朝日国立公園に属する。1888年7月15日磐梯山が大爆発し,流下した泥流が北麓にあった雄子沢
(おしざわ),細野,秋元の集落を埋没させ,長瀬川上流部をせき止め,その結果,檜原湖,小野川湖,秋元湖や五色沼などの湖沼群が出現した。磐梯ゴールドラインなどの観光道路が通じる。檜原湖東岸の曾原,蛇平は第2次大戦後に開拓されたところで高原観光の拠点になっている。(日立デジタル平凡社:大百科事典より)

〔五色沼〕

   福島県中央北部,磐梯高原にある湖沼群。耶麻(やま)郡北塩原村に属する。1888年の磐梯山爆発によって流下した泥流のくぼ地に湛水したもので,檜原(ひばら)湖畔より東へ約3kmにわたって弥六沼,柳沼,青沼,瑠璃(るり)沼,弁天沼,竜沼,深泥(みどろ)沼,赤沼,毘沙門沼などの小湖沼が点在する。吾妻火山の火口湖や,日光白根山付近の堰止湖にも同名の沼があるので,とくに磐梯五色沼ともいう。湖水には火山噴出物の鉱物が溶け込み,緑色,白みを帯びた青色,やや赤みを帯びた青色など,多彩な水色を示す。水質も沼により異なり,柳沼以外は酸度が高く,特に赤沼は強酸性で鉄,マンガンの含有量が多い。
(日立デジタル平凡社:大百科事典より)