散歩道 3 2001/06/02












 梅雨の前触れの雨が一休みの間にぶらりと散歩に出た。
草丈が伸びた雑草の中に今年も赤詰草や、春ジオンの姿が見られた。公園の丘に登る階段に黒い木の実が落ちている。
 桑の実に似ているが、まさかこんな所にと思って見上げると、沢山実がついている。主人に一つ手渡したが、違うといけないと毒見を拒否された。丘の頂上にも人に踏まれてつぶれた実が無数にある。さくらんぼだ、春に咲き誇った花が小さな実を沢山つけている。足元の実をたどっていくと、小さな石で出来た四角の柱がある。なにやら文字が刻まれている。こびりついた泥を、小枝で落として見ると、国地院と読める。柱の天辺には、十字が刻まれて、東西南北を指し示している。(三角測量の基準点に設けられた三角点で、一等から四等迄あって、これらを結べば全国を覆う三角網となる。と広辞苑で判明)
  丘を下って、シェルガーデンで買い物をして、ついでに、花屋で私は、鉢植えの紫陽花を、主人はプランター用に丈の短い百日草を買って、それぞれ両手にビニール袋をぶら下げての帰リ道の私達の頭上を、ギイーッ、ギイーッと姿に似合わぬ悪声を上げてここ数年住宅街に多く見られるようになった、黒いビロードの帽子に長い尾の、おながの集団が飛んでいった。
 

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