メメちゃんの正体               2003/02/15
60歳になるのを記念して開かれた田舎の小学校の同期会での事。
宴会場で隣席になったのは昔住んでいた同じ町内のA君。

遊び場なども同じで、夏は田畑の中を流れていた街では比較的大きな
川で、男の子と女の子は上流と下流と少し距離をおいて泳いだ事など話は弾んだ。そんな時いつも紙芝居の拍子木が聞こえてきて急いで駆けつけたものだ。

紙芝居の自転車はA君の実家の駄菓子屋さんの横の空き地に停めてあった。
「メメちゃん」と私達は紙芝居屋のお兄さんを呼んでいた。
メメちゃんという女の子が主役の連載物をやっていたからだと思う。
5円で水飴とか、のしイカとか買ったものだ。
また付録にひょうたんが型押しされた薄いセンベイをくれた。
そのひょうたんの形をうまく切り離すと賞品がもらえた。

クイズなどもあって当てるとやはり賞品がもらえた。
「メメちゃん」の来る日は当事の私にとって何よりの楽しみであった。
いつも優しくしてもらっていたので私はメメちゃんが大好きだった。
ただ見の子供の多い中でいつもお金を払う私は上得意だったのかな。

「あの人ヤーさんでね」とA君・・・「エっ?」っと私。
「背中の刺青を見せてもらったよ」・・・ひぇー。
的屋(テキヤ)さんであったという。

私は昔夜回り当番の時他の仲間からそそのかされたA君に不意に棒で殴られて痛いめに合わされたが、この話は2度目の痛い衝撃であった。

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