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AT互換機よろず帖


第11章 落ちないマシン

 ひょっとして、約1年ぶりの更新でしょうか、このコンテンツは。
 いやぁ、この1年間色々ありました。いや、ホントに。なぜこのコンテンツの更新が1年も滞ったかというと、その最大の原因はおそらく卒論であろうかと思います。
 卒論。就職活動と並んで、学生生活で最大の難関のひとつでしょう。僕の所属している学科が特殊なのか、それとも世間様はみな一様にこの程度の苦労は経験済みなのか分かりませんが、妙に厳しいですよ、卒論は。掲示板をご覧になると分かりますが、「書けないー」とか書いてるのは、だいたいうちの学科の人です。でも今となっては笑い話…だといいですね(大汗
 それはともかく、最近の卒論、まあレポートもそうでしょうが、だいたいはワープロもしくはパソコンで作成されていると思われます。「手書きしか認めん!」という愛すべきアナログ人間もいらっしゃると思いますが、編集のし易さや何より読み易さの点で、ワープロ稿というのは外れがありません。また図表の張り込みも簡単ですよね。そんなわけで、ワープロ稿の卒論が増えているわけですが、昨今はワープロ専用機というのは天然記念物くらい希少価値が出てきて、ほとんど場合、いわゆるパソコンの上でワープロソフトを走らせている、といったところでしょう。理系の方はUNIXでTeXって場合が多いのでしょうか? それはともかく、一般的にパソコンを使っている方は、絶対一度は「フリーズ」という現象を経験していると思われます。
 「フリーズ」とは、まさに「凍りつく」という意味で、突然(とは限らないけど)パソコンが一切の操作を拒絶、反応を示さなくなって「凍って」しまう現象の総称です。「落ちる」とか「固まる」と言うこともありますね。復帰するにはリセットか電源を入れ直すしかなく、当然、フリーズした時に作業していた内容のうち、最後に保存されたものより後のデータは綺麗さっぱり消えてしまいます。つまり、保存してからの作業が全て水の泡になってしまうわけです。
 例えば何もしないでボーッと音楽を聴いてる時や、ゲームをしていた場合は、精神的ショックはともかく実害はそう多くはないでしょう。ですがレポートや、ましてや卒業(つまりこの先の人生)のかかった卒論を書いてる最中、保存する前にフリーズしてしまった日にゃ、ダメージは計り知れないものがあります。ましてや提出直前の場合などは。しかも、世の中で使われているパソコン用基本ソフトであるWindows9X系統(95/98/98SE/Me)は、とってもフリーズしやすいことで有名です。別に特定の個人や企業や商品の誹謗中傷ではなく、一般的な評価ですが、とにかく「落ちやすい」んです、これが。泣きを見た人も大勢いると思います。
 ところが、僕は10月終わりから実質的な卒論の執筆を開始しましたが、最終稿の上がった12月20日までの約2ヶ月間、ほぼ毎日、1日平均10時間以上ワープロソフト(Microsoft Word 2000)を立ち上げっ放しで作業(執筆ではない、念のため)していましたが、ただの一度もフリーズしたことはありませんでした。MIDIプレーヤーやMP3プレーヤーを立ち上げて音楽を聴きながらのこともあったし、ブラウザを立ち上げてネットに繋いでたことも何度もありましたが、それでもフリーズしたことはありませんでした。
 種明かしをすると、Windows2000を使っていたからです。いや今でも使っていますが。
 今までWindows95(OSR2)、Windows98、Windows98SEと使ってきましたが、2ヶ月もの間、フリーズしなかった例は皆無でした。それが、一番落ちて欲しくない卒論の執筆中、一度も落ちなかったというのは、某氏の法則に照らし合わせても、けっこうすごいことではないかと思います(笑)。もちろんWindows2000でトラブルが皆無だったというわけではありませんでした。一番ひどかったのは、突然「アプリケーションの追加と削除」が起動できなくなる(正常に表示されなくなる)現象です。最初は手におえなくてWindows2000の再インストールまで強行しましたが、数日後に再発してしまいました。ネットであちこち探ってみると、IE5.5を入れている場合は、入れ直せば解決することが判明。それ以降は発生していません。
 あとは特にトラブルらしいトラブルもなく、よほど変なことをしなければ、すこぶる安定して動作しています。さすがWindowsNTの正当なる後継です。真のWindowsといったところでしょうか。とにかく、卒論書いてる最中に一度も落ちなかったことは、ただただ感動の一言です。素晴らしい。
 ちなみに、某氏の法則は別なところで襲ってきました。提出日の前々日、突然プリンターがハードウェアエラーに陥りました。内部の紙抑えパーツのひとつが外れていました。以前にも同じトラブルがあって、その時はきちんと直ったので、今回も焦る気持ちを抑えつつ分解して直してみました。ところが、それでもハードウェアレベルでエラーが出てしまいます。どうにも手におえず、かといって修理に出す時間もないです。このプリンタ、キヤノンのBJC-600Jといって、高校2年くらいの時に親の出資で購入したもので、よく考えたら6年くらい使っているものです。出資者曰く、十分に減価償却できてるから買い換えても可、とのことなので、翌日に近所の量販店で同じくキヤノンのBJF-360を\19800で購入しました。印刷は念のために朝イチに学校でやって来ましたが(100枚以上あるので、紙代もバカにならない…)。
 BJC-600J(買った当時はかなり高かった記憶がある)に比べると安いし速いし綺麗だし、技術の進歩って素晴らしいって感じです。年賀状シーズンということで、宛名印刷等にも活躍しましたし、あと、そろそろBJC-600J対応のインクの入手性が悪くなり始めていたので、それもまあよかったかな、と考えています。色々な意味で結果オーライですが、本当に某氏の法則は実在するんだな、と実感した瞬間でした。本当に心臓に悪かったです。
 ともかく、おかげさまでなんとか無事に卒論が提出できましたが、つくづく安定稼動するマシンの大切さと、それを支える安定したOSのありがたさを思い知りました。てゆうかWindows使うなって話もありますが。自作機という本来あまり安定動作が期待できない環境下で、よくもまあ無事にって感じで、Windows2000の素晴らしさを骨身にしみて実感した今日この頃でした。


第12章 世紀末の散財

 卒論等による自主規制や資金不足のため、マシンの構成は1年前の夏に組んだ時とほとんど変化がありませんでした。しかし、卒論の提出によって規制も解禁され、規制してたお陰で資金もそれなりに溜まりました。そこで、世紀末の散財を行おうと決意するに至った次第です。
 今年のパソコン業界における最大の事件は、何と言ってもMPUのクロック数がついにギガヘルツに達したことでしょう。しかも、そのギガヘルツクラスのMPUが2万円台前半で購入できるようなっているのです。これはもう、買わない手はない。ということで、年末&世紀末で百鬼夜行のアキハバラへお買い物。
 今回のターゲットはやはりギガロンこと、1GHzのAthlonです。様々な問題も周囲からは報告されていますが、それでも惹かれるものがあるというのは、「ギガ」という響きの為せる業なのでしょうか。当然Athlon対応のマザーも買いますし、あとはPC-133の256MBメモリと7200回転30GBクラスのハードディスク、適当なビデオカードを予定していました。余裕があればDVD-ROMドライブも欲しいなということで、予算はだいたい\80000くらいです。
 適当にブラブラ見て回ると、フェイスにてIBMのとMAXTORのを発見。MAXTORの30GBは他所では見当たらなかったのですが、友人お勧め。IBMのDTLA-307030が安かったけど、値段の差は\300くらいだったので、MAXTORのM5T030H3を\14800で購入。
 メモリはあきばおーの参號店にてPC-133 CL=3の256MBが\10590だったので、迷わず購入。なんでこんなに安いんだろう。「相性での取替えはできません」にちょっとひるむけど、まあ大丈夫だろう、きっと。問題なし。
 マザーボードはKT133+686B(ATA100対応)を探して歩いた結果、俺コンハウスにて24Kヒートシンクが美しいAOpenのAK73PROが\14450だったので、これに決定。ATA66の686Aのがだいたい\13000台だったので、これは結構お買い得です。しかもBIOS-ROMがふたつあるDIE-HARD BIOSだそうで。あとDr.ボイスという、声でエラーとかを知らせてくれるという変な機能も付いてこのお値段。日本直販じゃないんだから。最初に登場したバージョンは中国語なまりの英語だけだったけど、このマザーは日本語にも対応しているそうです。試しに聞いてみよう。
 肝心の1GHzのAthlonはお手ごろ価格のせいか、軒並みBOX版は売り切れていました。バルクはそこそこありましたが、値段もまちまちだしクーラー探すの面倒だしとさまよった挙句、ソフマップ買取センター横のTWOTOP3階に山積みになっているのを発見、値段も\22800と許容範囲なので、決定しました。
 問題はビデオカード。時節柄GeForce2MXあたりが性能や価格の面で妥当なんでしょうが、猫も杓子もGeForce2MXというのも気に入らないし、友人曰く、画面が滲むなど画質に少々問題ありとのこと。値段は\12000くらいからあってなかなかお手ごろですが、いまいち決定材料に欠けるところ。黒い基盤に金メッキのGoldEdition(\11900)にちょっと惹かれながら色々歩き回ってみると、GeFofce256のDDR-32MBが\9000でありました。これは実はお買い得なのではと候補に入れておきます。OVERTOPを覗いてみると、RADEONのSDR-32MB版が\15800。これは正直迷いました。無難にGeForce2MXを取るか、穴馬でGeForce256を行くか、アンチnVIDIAでRADEONにするか。結局「nVIDIAのチップは前に使ったことがあるが、ATIは今まで使ったことが無い」「画質に定評のあるATIで、速度もいい感じ」「とりあえずRADEON-VEに性能で負けることはないだろう」ということで、RADEONにしました。これまでにS3、nVIDIA、Matroxのビデオチップを使ってきましたが、これにATIが加わって、主要なビデオチップメーカーを制覇することができたようです。3DfxはnVIDIAに買収されちゃうし。何より、伝統的に画質に定評があるという点がポイント高いです。
 お金が残っていたしまた来るのも面倒くさいので、フェイスでPanasonicの12/48倍速のDVD-ROMを\9470で購入。日立や東芝のよりも何となく好きなんです松下のって。今使っているCreativeのDVD-ROMドライブが松下のOEMということもありますけど。ついでに+\1000でPowerDVD VR-XのOEM版を付けてもらいました。
 消費税を含めた合計金額は\93355で、ちょっとオーバーしましたが、予想以上にいい買い物ができたので良しとしましょう。今まで使ってたパーツの売却益も若干見込めるので(笑)。さて、組み立て記事は年内に上げられるかな?
 よく考えたら、Athlon推奨電源かどうか確かめてないや…(汗

 年が明けたらマウスとかキーボードも欲しいですね。マウスはオプチカルなやつが欲しいですし、キーボードはやっぱIBMのアレですかね(笑


第13章 世紀末の厄落とし

 便利なもので、「世紀末」と付ければ何でもそれらしく聞こえてしまいますね(笑
 それはともかく、買い物も済んだので、いよいよ組み立てです。しかし、これがなんとまあ苦労したというか、ある程度は覚悟できていたんだけど、ここまで酷かったとはって感じで…。もしこれからギガロンで組んでみようなんて人は、これを読んですこし考え直した方がいいかも知れないですね。別に組むなとは言いませんが。
 ケースを流用するため、マザーを外したりしなければならないんですが、ケースを1年も開けていないと、ホコリがすごいです。別にクリーンルームに置いてある訳ではないので当然といえば当然ですが、PCも大掃除が必要なんだなーとしみじみ思いました。フロントファンの吸気口にはフィルターが付いているのですが、もう真っ黒で、掃除機じゃ埒が空かなくて、雑巾でゴシゴシやりながら取りました。ケースの中や各種基盤、ディスク類もホコリが溜まっていたし、タバコは吸わないので幸いヤニが付いたりすることはないですが、ケースの汚れを中性洗剤で落としたり、ファンのグリスまみれのホコリを落としたりと、マシンを綺麗にするだけでも一仕事でした。
 んでもって、いよいよ本格的に組み立て開始です。ケーブル類を外してからケースからベースを引き出して、各種カード類を外して、お世話になったマザーのBH-6を外します。保護カバーに入れてエアキャップシートで包んでお蔵入り。いずれ第2の人生を有意義に過ごしてくれることでしょう。おもむろにAK73Proを取り出してみると、BH-6より幅が広くて、BH-6では6箇所だった固定ネジが9箇所になっていました。増えた分のスペーサーをベースに取り付けて、紙ワッシャをかましたネジで固定。さて、いよいよギガロンこと1GHzのAthlonの出番です。ケースから取り出すと、MPU本体とヒートシンク/ファンが別パーツになっています。これは自分で固定しろってことなんでしょうね。で、実際にSokcetAにMPUを取り付けて、その上からファン付きヒートシンクを固定しようとするんですが、金具が固くて固くて、かなり力を入れないとSocketのツメに引っかからないようになっています。まあきちんと熱伝導させるためには生半可な接触じゃダメってのは分かりますが、とにかく固い。Pentium!!!のSlot版は最初からヒートシンクやファンが固定されていたから楽だったんですけどね。「おりゃー」と下手に力を入れようもんなら、SokcetAの周囲に林立する大容量コンデンサにカウンターを入れてしまいそうだし、何より剥き出しのコアを割っちゃいそうで怖いし。
 ファンの羽の隙間からドライバーのお尻を押し込んで金具を力いっぱい押して、なんとか装着・固定に成功しました。ふぅ。壊れてないよな…と祈りつつ、メモリとVGAを刺してスイッチON。画面に信号が来るのがちょっと遅いのか、なかなか明るくなりませんが、DELキーを適当に押していたおかげで無事にBIOS画面にたどり着けました。苦闘の甲斐があったってもんです。でも、その苦闘もほんの序の口だったんですけどね…。
 時計を設定してBIOSを抜けて一旦電源OFF。そうそう、いつも迷うのが電源スイッチや各種LEDの配線の向き。どっちが正しいのーとかうめきながら適当に入れて、だいたいうまく行くんですが、今回は電源LEDの向きが逆だったらしく、点灯しませんでした。電源スイッチはちゃんと入ったから問題なし、リセットも効いたから問題なし、と。電源LEDコネクタの向きを変えて、HDDアクセスLEDも適当に差し込んで、各種ドライブへ電源やらケーブルやらをつなげます。SCSI接続のMOとCD-Rもあるので、IDEとは別にSCSIカードからのケーブルも接続。相変わらずごちゃごちゃした配線ですが、今回はギガロンという一大熱源があるので、なるべくMPU周辺には空間を作るようにしました。電源コネクタもMPUに近い位置にあるのですが、ヒートシンクに触れないように固定したり、MPUファンのケーブルをヒートシンクに触れないように迂回させたりと、それなりに神経を使ってみました。幸いMPUと同じくらいの位置にケースの排気用ファンがあるので、空気の流れは割とよいのでは、と思います。
 再び電源を入れて、BIOSで各種設定を。AK73Proにはオンボードサウンドがあるのですが、サウンドカードは別に用意したのでマザー上のジャンパで切ってあります。念のためにBIOSを見ると、そもそもサウンドの設定が見当たらないので、これは完全に切れていると確認。その他、特に異常がないのを確認して、Windows2000のCDを入れて再起動。Windows2000のセットアップに入ります。30GBを約25GBと約4GBに分割。大きい方をNTFSでフォーマットしてそこにインストールします。時間はかかりましたが、無事にインストールを終えて起動に成功。そのままService Pack1をインストールします。さらに再起動したところ、青い画面。おいおい。リセットしても直らないし、セーフモードへ入っても青い画面になります。仕方ないのでCDから起動して修復を行います。高速修復を行うと、「すべてのチェック」とか言ってるわりにはディスクのチェックしか行わないで再起動して、またブルースクリーン。もう一度高速修復を選択すると、今度はファイルのチェックやシステム構成のチェックを行ってくれて、無事に再起動に成功。とりあえずチップセット絡みのドライバをインストールします。
 マザーに付属のドライバではATA100が使えないとのことなので、お店で付けてくれたFDに入っていたVIAの4in1ドライバ(4.25a)をインストールしました。それにしても妙にマウスがカクカク動くなぁと思って、再起動後にデバイスマネージャを見たところ、なぜかプライマリマスターに接続したMAXTORのHDDがPIOモードで動いています。それでマウスの動きが鈍いわけね。それにしてもどうしてでしょう。ATA100対応ドライバのはずなのに。プライマリスレーブのATA33のIBMの方はちゃんとUltraDMAモードで動いているし、最初はPIOだったセカンダリマスターのDVDドライブもDMAに設定すると、きちんとUltraDMAで動いてくれます。なぜMAXTORのだけPIOなのかな。やはりATA100というのが問題なんでしょうか。BIOSレベルではATA100で認識されています。いろいろ探ってみると、どうやらWindows2000対応のATAドライバは付属していない模様なので、これはネットを探すしかない。うちはダイアルアップルータを使用しているので、NICを動かさなければ話になりません。幸いSCSIとMOは無事に稼動しているので、MOに入っていたNICのドライバを入れてTCP/IPを設定、再起動してルータの制御ソフトを起動すると「ルータとの通信ができないよー」と怒られてしまいました。時報に電話したり、ケータイから自宅へかけてみたりして、電話機とその大元のダイヤルアップルータが正常に稼動してるのは確認できたので、おかしーなーと思いつつ、ブラウザから設定画面(お使いの方はご存知だと思いますが、http://192.168.0.1/)を開こうとすると、これも表示不可でした。コマンドプロンプトからipconfigを起動すると、マシンのIPアドレスは192.168.0.2になっているので、ルータのDHCP機能は動いているみたいです。pingを打ってみてもきちんと返って来るので、いつかみたいにまったく音信不通というわけでもありません。
 おかしーなーとおもいつつも、ふとマイコンピュータを開いてみてびっくり、よく見たら、データ移行用に接続しておいたプライマリスレーブのIBMのドライブがCとDになっていて、肝心の新しくインストールしたプライマリマスターのMAXTORのドライブはHになっていました。間にMOのEドライブとCDがふたつF:とG:で入っています。慌てて管理ツールのディスクの管理からドライブレターの変更を行おうとすると、システムボリュームやブートボリュームのドライブレターは変更できないとのこと。ここまでトラブルが頻発すると、もうイヤになるので、一からやり直すことに決定。とにかくCを使わないようにドライブレターを変更したあと電源を落として、IBMの方をとりあえず外すことにしました。と言ってもIDEケーブルと電源ケーブルを抜くだけですが。
 再度Windows2000のインストールから始めます。時間はかかりますがインストールを終わって、無事に起動。今度はService Pack1を入れずに、VIAのドライバを入れてみましたが、それでもPIOのままでした。気を取り直して、NICのドライバをインストールして再起動後、コマンドプロンプトでipconfigとpingを使ってチェックの上、ブラウザから設定ページを見てみると今回は繋がりました。ルータ制御ソフトからも操作ができて一安心。PIOの問題はまた後で解決すればいいか、と思ってService Pack1をインストールして再起動すると、今回も恐怖の青い画面。うわー。例によって修復1回で青い画面、2回で再起動に成功すると、さっきまで繋がっていたルータとの通信が不能に。これってServicePack1とその後の修復による障害ってことでしょうか…。
 やむを得ずService Pack1の適用を断念して、三度Windows2000のインストールをやり直すことにしました。かなり精神的・肉体的疲労が蓄積していました。とにかくWindows2000のインストールを終わって、マザーのドライバを入れて、NICドライバを入れると、今度も無事にネット接続が可能に。狭い画面と16色表示はイヤなので、RADEONのドライバを入れようとCDを入れて「簡易インストール」を選択してみると、「現在使用しているVGAと互換性がない」とか怒られてしまいました。仕方ないので、デバイスマネージャから?マークの付いているVGAカードを選択して、CD中のWindows2000用らしきフォルダを探ってドライバをインストール。再起動後は綺麗でくっきりの画面にありつけました。
 さすがATIといったところで、くっきりはっきりの表示で、MatroxのG400に慣れた目にも違和感がありません。文字の滲みもなく、強いて言えば、発色がG400に比べるとちょっと淡白かなという感じです。タスクバーなどのグレーが、特に16ビットハイカラー画面ではG400に比べてかなり白っぽく出ています。ただ黒や赤の発色も良好で、画像にはメリハリが効いているので、それこそ慣れや好き嫌いの問題ですね。全体としてG400と同等、上々と言えるレベルです。この発色はRADEON固有のものなのか、ATIの伝統によるものかは分かりませんが、ATIの発色の良さには昔から定評があるので、G400に慣れた目だから気になった点かも知れないですね。私観では、どちらかというとG400はやや暗めの発色、RADEONはやや明るめの発色、という感じでしょうか。どちらもメリハリが効いていて、画質は申し分ありませんが。
 とりあえず画面が広く綺麗になったので、ネットに接続してPIOモードの解決に乗り出します。まずVIAのサイトへ行ってみましたが、4in1ドライバもIDE Bus Masterドライバもマザーといっしょに入っていたFD収録版と同じで、新しいものは上がっていません。Googleで「Windows2000」とか「ATA100」とか「686B」をキーワードに適当に検索していくと、Windows2000対応のVT82C686B用ATA100ドライバなるものがSOLTEKのマザー用に上がっていることを発見。さっそくダウンロードしてみました。ドライバのバージョンがVIAに上がっていたやつよりも上という、けっこう謎なドライバです。β版なんでしょうか。ともかく早速入れてみると、確かに再起動時からかなりスムーズに動作しています。PIO時でもPentium!!!-450MHzに5400回転のハードディスクの旧マシンよりもちょっと速かったような気がしましたが、それはAthlon1GHzのおかげだったんでしょうが、今回はそれに輪をかけて高速に動作しています。マウスの引っかかりもなく快適です。デバイスマネージャでもちゃんとプライマリマスターがUltraDMAモードで動作していると表示されました。
 しかし喜びもつかの間、突然「デバイズ取り外しの警告」なるものが出て、セカンダリマスターのDVD-ROMが取り外されたことになってしまいました。確かにデバイスマネージャから消えているし、あとなぜかハードディスクもSCSI接続と認識されています。ドライバ付属のDMAツールではきちんと認識されているのに、おかしーなーと思いつつ再起動。なぜかSCSI接続としてですがちゃんと両方とも認識されています。でもしばらくするとまたDVD-ROM取り外しの警告が。仕方ないのでハードウェアウィザードから認識させようとしたところ、例によってブルースクリーン。これはドライバの問題だろうと思って、もうPIOでもいいやとドライバを元のものに入れ直そうとしました。再起動後、デバイスマネージャから古いドライバを入れ直そうとしましたが、、あれ、古いドライバが見つからない、どこだっけ、などと右往左往した挙句、適当にそれらしいモノをインストールして再起動したところ、ブルースクリーン。リセットしても青い画面になって、Windows2000の起動すらできなくなってしまいました。いい加減してくれー。
 かなり投げ遣りな気持ちでWindows2000の再インストールをして、NICやVGAなどを設定。相変わらずPIOのままです。プライマリスレーブにIBMを繋いだところ、ドライブレターの変更が効いたのか、マスターがCドライブのまま認識されました。マスターの余った領域にFAT32の区画Dドライブを設定して、そこにスレーブの入っていたデータ類を移します。PIOのままなので、かなり遅いです。まあともかくも無事に転送を終わってひと段落したところで、再びGoogleで探してみました。今回は「AK73」をキーワードにしたお陰でしょうか、同じような報告がどこぞの掲示板に上がってました。それをつらつら読んでいくと、ディスクユーティリティで強引にATA66に切り替えるとか、ATA66/100ケーブルを外してATA33ケーブルにするといいらしいとかいう報告が載ってました。当分の間はプライマリスレーブにATA33のIBMを繋ぐつもりで、しかもATA66とATA33の混在はマズいということで、ケーブルをATA33のに交換して起動してみると、BIOSレベルでもATA33と認識されて、Windows起動後はかなりサクサク動いてくれています。デバイスマネージャで確認すると、きちんとUltraDMAモードで動いてくれていて、今回は従来どおりATAドライブとして認識、DVD-ROMの取り外し警告もありませんでした。これで一安心。さすがに友人が薦めるだけあって、7200回転の割に5400回転のIBMのよりも静かだし、速いし、なかなか快適です。さらに静音化ユーティリティもあるそうで、もっと静かになるんでしょうかね。素晴らしいです。
 ともかく、これにてようやく実用的な環境が整いました。あとは残ったサウンドカード、Live!のインストールですが、セットアップを起動すると、「Live!が接続されていない」と蹴られてしまいました。あれ。デバイスマネージャで見ると、確かにLive!らしきモノが繋がれていません。おかしいなぁ。オンボードサウンドは切ってあるし、と再起動してBIOSを見ても、確かにサウンド設定の影はないのでハードウェア的に切られているはず。と、起動中のデバイス表示画面にサウンドカードを示す「Multimedia Device」の文字がないらしい(表示がすぐ消えるので確認してる暇がない)のを発見。ハードウェア的に認識されていないらしいことが分かりました。ケースの蓋を開けてみて、きちんとPCIバスに挿してあることを確認したので、念のために挿すPCIバスを変えてみました。再起動時のデバイス表示で、それらしきモノが表示されたような気がして、期待しつつWindowsの起動を待つと、ゲームポート等の認識が始まったので、今回は認識されたらしいことが判明。ちゃんとドライバも入って、メディアプレーヤーやDVDプレーヤーでの再生も問題なく行えました。
 とゆうわけで、Windows2000をインストールすること合計4回。Service Pack1が鬼門、ATA100が鬼門、PCIバスの位置には気をつけよう、などという教訓を残して、今回の組み立ては終わりました。疲れた。Service Pack1の障害は分かりませんが、ATA100の問題はあちこちで頻発しているので、ディスクレベルで強引にATA66にするか、最初からATA33ケーブルで使うかした方が無難ですね。よく考えたらATA100の転送速度を生かせるディスクなんて無いから、無理にATA100に拘る理由もなかったんですよね。反省。まあ将来への保険ということにしておきましょう。
 でもGHzクラスAthlonで問題となる電源の問題や焼きつきなどは、今のところ大丈夫なので、その点では幸運だったと言えるでしょう。メモリも相性保証が無かったのでちょっと不安でしたが、無事に133MHz(PCI×4)で動作しています。高負荷ベンチを取っていないのでまだ何とも言えませんが、SLBenchは無事に完走できた(RADEONの3D性能を実感!)し、DVD再生も問題なかった(DVD再生支援が認識されなかったけど、ドライバの問題かな)ので、通常使用には問題ないと言えるでしょう。ともかく、年内に実用稼動に漕ぎ着けられて、ほっとしています。実質3日程度かかったし…。
 これだけトラブルが頻発すると、GHzクラスじゃなくていいから、安定したPentium!!!とIntelのチップセットで組んだ方が良かったかなぁとも思っています。まあ互換機、特に自作機は基本的にギャンブルなんですけどね。年明けにお茶の間機をDV編集対応に強化するんですが、そっちはPentium!!!とi815で組んでみようかなと考えています。請うご期待。
 今年&今世紀最後の不運としてギガロン機のトラブルがあったわけですが、これで来年&新世紀の分の不運も使い切ったと信じたいですね。来年も良い年でありますよーに。
 皆様も良いお年をお迎えください。


第13.5章 世紀越しの憂鬱

 やっぱりというべきか、あいにく、自作ギガロン機のトラブルは年と世紀を越してしまいました。この件に関して、若干の補遺なぞを。
 まずWindows2000 Service Pack1絡みのトラブルですが、ATIのRage Fury(Rage128)を使用している友人も、同じくSPやWindowsUpdate関連で起動しなくなるトラブルに見舞われているそうなので、もしかするとATIのハードに由来する現象なのかも知れないですね。ちなみに、こちらではMicrosoft Office2000 Service Release1をインストールしても、同様に起動できない現象に陥りました。SR-2もリリースされましたが、SR-1が必須なので入れようにも入れられないですね。まあ今のままで使用には何ら問題はないんですけど。SPやSRはどうやら鬼門のようです。とゆうより、ノーマルのシステムに手を加えるようなものはヤバいみたいですね。Windows2000 Service Pack2では、Athlon絡みの障害やATA100関連の問題が解決されるという話ですが、こんな調子ではとてもインストールする気にはなれませんよね。ちゃんと動いてくれることを祈るだけです。
 ビデオカード関係で言うと、とりあえずFinal Realtyは完走できました。終わりの方のロボット場面では、カメラのパンなどでも動作がもたることなくスムーズに動いていました。さすがRADEONといったところでしょう。1024×768×32で、標準のPentium150+ViRGE/VXの約7倍の数字が出ていました。
 一方、3DMark2000は起動してもハングアップしてしまいます。AMDのサイトにこの問題修正用のレジストリパッチが上がっていたので、それを当ててみました。起動時の白い画面で一瞬アニメーションがしばらく止まってしまい、「もしかして落ちた?」とか思わせておいてからおもむろに起動するので、相変わらず心臓に悪いです。このレジストリを当ててみるときちんと起動して、なかなかいい感じに動いてくれますが、途中のツイストらしき物体が現れるところで止まってしまいました。従って完走はできませんでした。RADEONのドライバも新しいのが上がっているし、3D関連ではSP2収録予定のパッチもあります。ベンチマークの成績もいまいち振るわないので、パッチはともかく、ドライバを入れ替えるなりして再挑戦したいと思います。ただ、オーバーレイの明るさ調節ができるのは、なかなかいい機能だと思いました。特にDVDの鑑賞で威力を発揮しています。
 DVD再生は、なぜかハードウェア再生支援が認識されませんが、それはWindows2000固有の問題とのこと。ソフト再生だけで十分だし、さすがVR-Xだけあって、高画質です。特に全画面表示の品質がPowerDVD2000に比べて向上しているように思えます。ただ、最大の売りであるはずの「ドルビーヘッドホン」機能を有効にできないという問題がありますが、これはOEM版の仕様ということでした。ユーザー登録したので、そのうち何かお知らせでも来るかも知れませんね。
 さてさて、肝心のATA100関連の問題ですが、一応の解決を見ています。いや、本当に「一応」でした。
 まず、VIAのWindows2000対応のATA100対応VIA IDE Bus Masterドライバ(バージョン3.01.1。4in1ドライバ4.26βおよび4.27βに収録。http://www.viahardware.comにあります)を入れるとATAデバイスがSCSI接続と認識される点ですが、これはWindows2000がATA100をサポートしていないためだそうです。Intelのi815EのWindows2000用ATA100ドライバも、ATA100コントローラーをSCSIと認識しているようです。この問題はどうやらSP2で解決されそうですが。でも、Windows2000対応のVIAのATA100ドライバはβ版だけあって入れる気はもうしません。問題なく動いてくれれば言うことなしですが、起動後にCDが論理的に切り離されてしまうという障害があるため、正式リリースでかつ問題が修正されない限りは、入れないほうが無難ですね。とゆうか、VIAはWindows2000用ドライバのリリースが遅いです。KX133の時も、Windows2000対応AGPドライバのリリースがかなり遅れた前科がありますし、そもそもハードウェア的にいろいろ曰く付きで、けっこう毛嫌いしてる人も多いようです。まあ確かにこれだけの問題が出れば毛嫌いするのも分かりますが…。
 もとい、実際問題として、ATA100の転送速度を生かせるドライブは今のところ存在しないそうです。それならばATA66で動いてくれれば重畳、ということでMAXTORのATA100→ATA66切り替えツールを探すことにしました。MAXTORのサイトを探してみると、ありました、100updt.exeというアーカイブです。名前だけ見るとちょっと違うかなって感じですが、ドキュメントを読んでみると、「ATA33/66/100に対応していないマザーのために設定を変更する云々」という記述が見られ、コマンドラインのスイッチを見てもPIOからATA100まで切り替えが可能なので、おそらくこのツールで良いとあたりを付けました。これを展開すると、udmaupdt.exeなどのファイルが出てきます。これがDMAモードの設定ツールです。BIOSアップデート用ディスクから起動して、早速このツールを使ってDMAモードをATA100からATA66に変更しました。途中、何ならチップセットが対応リストに見当たらないとかでデフォルト扱いでやるよ〜と警告されましたが、それ以外は特に問題なく終了。一旦電源を切って、ケーブルをATA33からATA66用に取り替えて起動しました。黒バックの画面から白バックの画面に切り替わったところで、恐怖のブルースクリーン。あちゃー。何が悪かったんでしょう。もしかして警告メッセージに関係あるとか。
 こんなこともあろうかと用意しておいたシステム修復ディスクを使って、CDから起動してWindows2000の修復を試みました。すると、なぜかWindows2000がインストールされていないと怒られてしまいました。念のためにもう一度起動すると、やはり白バック画面のところで青い画面が出ます。ある程度予測のうちに入っていたことなので、仕方なく再インストールを行おうとしました。Windows2000のCDから起動してセットアップでインストールを選択すると、ディスクのパーテーションの表示が2つとも「未フォーマットまたは破損」となっていました。これはもう確実に、何らかの問題が発生していることを意味します。やはりさっきの警告かっ!…と青ざめつつ、フォーマットしてインストールしようとすると、妙に速くフォーマットが終了して、インストールが開始されます。そして再起動…してもCDから起動してしまいました。おかしいな、と思ってCDを抜いて再起動したところ、いつまで経っても起動しません。もしかして、起動システムすらインストールされていないのでは、と思ってもう一度CDから起動して、またインストールをしようとすると、パーテーションの表示がもうめちゃくちゃになっていました。
 どうやらハードディスクを「論理的に」破壊してしまったようです。おそらくATA100からATA66への切り替えの過程で、チップセットの未対応など原因で領域情報などが破壊されてしまったんでしょうか。でも最初の段階ではWindows2000の白い起動画面まで行けたということは、その時にはまだ完全に破壊されていなかったということかな。まあとにかく、もはや壊れたことは確かです。でも物理的に壊れたわけではないので、まだ何らかの手段で復旧が可能であると踏んでいました。さすがに中のデータまでは救えないでしょうけど。
 まず、Windows98の起動ディスクから起動してFDISKをかけようとしました。しかし領域情報を表示しようとして止まってしまいます。これは本格的にこのあたりがヤバいということでしょうね。仕方ないので再度何度かWindows2000セットアップをやってみますが、パーテーション設定ではハードディスクが8GBや4GBと認識されたり、その割には25GBのパーテーションを作る設定もできてしまいます。形の上ではセットアップは正常に行われるのですが、再起動する時にハードディスクから起動しなかったり、起動しかけても「boot.iniが存在しない」と怒られたりしてしまいます。またBIOSレベルでも容量が正確に認識されていないようです。これはもう、ハードディスクを物理フォーマットするしかないと思いました。
 メインマシンは大変なことになっていますが、パソコンが複数台あるというのは便利なもので、お茶の間マシンはロクにいじっていない分、ちゃんと動くことができます。しかもダイアルアップルータにつないでいるので、こちらからでもネットへ接続ができます。早速お茶の間マシンを起動してネットに接続、MAXTORのサイトからハードディスクインストレーションユーティリティとかいうMaxBLASTというツールを落としてきました。物理フォーマットツールくらい入っているだろうという憶測です。Windows2000ではインストールできないそうですが、お茶の間機はWindows98SEなので問題なし。インストールを行うと、セルフブートのフロッピーディスクを作ってくれました。それを携えてメインマシンへ取って返し、FDより起動しました。ちなみにOSはなんと嬉し恥ずかしDR-DOS。まさかこんなところでお目にかかれようとは思ってもみませんでした。と感慨に浸る間もなく、最初のメニュー画面で言語選択をせずにPowerMAXを選んで、その中にLow Level Formatの文字があったので、それを選択しました。
 延々フォーマットをすること3時間以上。その間に本を1冊読みながら昼寝して、買い物へ行って、さらに図書館へ行っても十分お釣りが来ました。ようやく終わってWindows2000のセットアップを実行すると、今度はちゃんと正確な容量が表示されて、パーテーションの設定も問題なく行えて、フォーマットにも時間がかかります。これに手ごたえを感じて、はやる心を抑えつつセットアップを進めていくと、なんとか無事に再セットアップが完了しました。今回は問題なくUltraDMAモードで動作していて、しかも体感速度(特にファイルのコピーや読み込みなど)がかなり速くなっています。ちゃんとATA66で動作しているようです。ベンチマークを取ってみても、そこそこの値が出ています。これこそ、ようやく真のギガロンマシンというべきでしょうね。
 なんとか復旧できたわけですが、無事に、というわけには行きませんでした。物理フォーマットをかましてしまったので、バックアップを取っていなかったデータ、具体的に言うと、12月28日以降に受け取ったメールや編集したデータなどがきれいさっぱり消えてしまいました。幸い卒論や年賀状関係のデータはMOにバックアップをきちんと取っておいたので、致命的な損害にはなりませんでした。またメールも特に重要な内容というものも無かったですし、あとは年末年始に収集したCGデータが若干と、書き散らかした駄文が少々といったところだったので、実質的な損害はほとんど皆無だったのは救いといえば救いでした。
 まさかディスクが論理的にお亡くなりになるとは思ってもみませんでした。これもいわゆる「クラッシュ」と言うんでしょうね。もしかしたら、同じような状況下に置かれている人がいるかも知れませんね。くれぐれもATA66に切り替えようなんて時は、必ずデータのバックアップを忘れずに取ってから、最悪1日がかりを覚悟した方がいいかも知れません。不用意に軽い気持ちでやると、僕のように痛い目を見るかもしれないですから。ちなみに、後で付属のテキストを見ても、データが消えるとかは何も書いてないんですけど、チラとwvset.exeが云々という記述があるんです。wvset.exeというのはWhite Value SETということで、いわゆるLow Level Formatのツールです。どうも臭いますね。まあ今となってはどうでもいいんですけど。でも、これからやろうって人はくれぐれも気をつけて下さいね。MAXTORのサイトもマニュアルも英語なので、僕みたいに生半可な理解でやっちゃっても後が怖いです。これを読んで「あー、自分にゃ無理だわ」と思ったら、迷わずやめて下さいね。ATA33でも十分実用ですし、そのうちVIAもちゃんとしたドライバを出してくれるはずですから。
 まあ、時間ができたら、辞書と格闘しつつMAXTORにメールでも送ってみようと思っています。警告メッセージから見ると、KT133チップセットに対応していなかったことも原因ではないかと考えられますし。
 でも、お陰でなんとか快適な環境になったことは確かです。ファイルの読み込みは体感的にも速くなったような印象を受けます。発熱も少ないし音も静かで、むしろDVD-ROMの回転音やファンの音の方が気になります。
 あ、そうそう、障害や問題と言えるか分かりませんが、夜間などの冷える時間帯に起動しようとすると、たまにAK73Proご自慢のDr.ボイスが「メモリエラーです」と喋ってくれます。女性っぽい声の合成音声で、特に訛りはありませんでした。それはともかく、一度リセットすればちゃんと動くし、動作中も特に問題ないので、挿し方が甘いとか、相性問題とかいうわけでもなさそうです。やはりあまり寒すぎるのも問題ということなんでしょうか。暖機が必要とか。
 所々では問題が無いわけではありませんが、今のところ、とりあえず日常使用には困らない程度には安定していると言えるでしょう。おそらく当分は大丈夫のはずです。ってゆうか、もう大丈夫じゃないと困ります。とりあえず、1日1回システム修復ディスク作成と、メール等のバックアップをやろうかなとか考えています。
 今年1年、よい年になるんでしょうか…?(汗
 なお、以下にベンチマークの結果を載せました。Readの値が高いのはいいとして、FileCopyの値が異常に低いのは、一体どうしてなんでしょうね。

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.22  (C)EP82改/かず ★ ★ ★ 
M/B Name    AOpen AK73Pro R1.02
Processor   AMD Athlon 1002.21MHz[AuthenticAMD family 6 model 4 step 2]
Cache       L1_Data:[64K]  L1_Instruction:[64K]  L2:[256K]
Name String AMD Athlon(tm) Processor
VideoCard   Radeon SDR-32MB 5.0.3027
Resolution  1024x768 (16Bit color)
Memory      261,620 KByte
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195)
Date        2001/01/13  11:51

VIA Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
  Maxtor 5T030H3

VIA Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
  MATSHITA DVD-ROM SR-8586

Diamond Multimedia Systems SCSI Host Adapter
  RICOH   MP6201S         2.20
  FUJITSU M2512A          1520

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
 22147    44374   52134    16118   18528    21695          75

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
    42948  46590    7211     592   31949   17180    4251  C:\20MB

 次回はお茶の間機のDV編集機化について、かな?


第13.7章 SP1の検証

 お茶の間機のDV編集機化について書く前に、Windows2000 Service Pack1関連の検証を少々行ったので、その事について。13章の補遺の補遺って感じでしょうか。
 13.5章冒頭に書いたように、Service Pack1絡みの不具合の原因はATI社のグラフィックボードにあるのではないか、と思われました。逆に言えば、ATI社以外のグラフィックボードで不具合が出なければ、ATI社のグラフィックボードが原因であると推測できます。一方で、他社のグラフィックボードでも同様の不具合が出るのならば、AthlonかKT133チップセット、或いはその両者の組み合わせが原因とも考えられます。その検証を行うために、グラフィックボードをATI社のRADEONから、旧マシンで使っていたMatrox社のMillenniumG400に交換してみました。
 まず、最悪Windows2000の再インストールになるので、各種バックアップをきちんと取った上で、システム修復ディスクを作成します。「アプリの追加と削除」からRADEONのドライバを削除して電源を落としました。そしてケースを開けて、AGPスロットのRADEONを外します。AK73ProのAGPスロットには、リテンションとまでは言えませんが、カードの脱落を防ぐラッチが付いています。ちょうどDIMMスロットの両端に付いているようなヤツです。これをカード奥側の出っ張りに引っ掛けるようになっています。その部分までAGPスロットがあるように見えるので、一見するとAGP Pro対応スロットに見えますが、AGP Proの電源ラインにあたる部分は、そのラッチ部分になるので、実際にはAGP Proには対応してないようです。スロットの部品だけ流用したみたいですね。
 RADEONを外してG400を挿して、RGBケーブルを挿して電源オン。VGAで起動して、ハードウェアウィザードが新しいデバイスを検出します。RADEONでは検出されなかったので、この点でもちょっと臭いますね。ハードウェアウィザードをキャンセルして、MOからドライバをインストール。再起動後は見慣れたG400の画面が戻ってきました。どうも僕の目にはG400の方が合っているようです。再度システム修復ディスクを作った後、リスクの少ないOffice2000 Service Releace1をインストールします。途中、ExcelとPowerPointにパッチが適用できないと怒られてしまいました。オリジナルのインストール後、なぜかこのふたつは起動しなかったので修復インストールしたんですが、それが関係してるんでしょうか。適当に無視して先に進むと、何の前触れも無く再起動がかかります。ちょっとヤバいかなぁと思ったら、すんなりと起動しました。よかったー。
 念のために「アプリの追加と削除」を見てみると、ちゃんと「Office2000 SR-1 Professional」となっていて、WordやExcelのバージョンもSR-1と表示されました。PowerPointだけは特に表記が無いですが、ちゃんと動くので問題ないと思います。SR-1が無事に入ったので、いよいよ本命のSP1のインストールを敢行します。
 システム修復ディスクを作った上で、今回はアンインストール用のバックアップを作ることにしました。期待と不安の中で再起動すると、がーん。ブルースクリーン。

STOP 0x0000007B(0xED41B84C,0xC0000034,0x00000000,0x00000000)
INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE

 いつもSP1を入れると表示されるメッセージが出てきて、まあこんなもんかと落胆。SR-1がうまくいったので、もしかしたらという期待もあったんですけどね。リセットをかけてWindows2000のCDから起動して、システム修復を実行します。1回目は例によってディスクのチェックだけで終わってしまうので、再起動後もCDからブートして修復を実行。今度はシステムファイルのチェックが行われます。それで起動できるようになったわけですが、前例に漏れずルータとの通信ができなくなってしまいました。しかし、今回は奥の手、SP1のアンインストールという手段が残っています。「アプリの追加と削除」にはちゃんとSP1の項目があったので、それを選択します。再起動後、きちんとルータとの通信が回復してネット接続も可能になったので、Windows2000の再インストールまでには至りませんでした。よかったよかった。
 今回の検証で分かったことは、Office2000 SR-1の不具合の原因はどうやらRADEON、或いはRADEONとの相性にあったらしいこと、そしてWindows2000 SP1の不具合の原因はRADEONには無かったことの2点です。つまり、SP1の不具合はAthlonかKT133、或いはその両者か特定のマザー、プロセッサとの組み合わせにあるようです。少なくとも440BXとPentium!!!-450では問題は出ませんでしたから。厳密な意味での検証ということでは、Athlonの他のロットやDuron、他のKT133マザーやKX133、AMD-750との組み合わせも検証してみたいですが、いかんせんモノが手元にないし、それを揃える余裕もないですし…。もし同様の環境をお持ちの方は、ぜひ報告を頂きたいです。成功例、失敗例いずれでも構いません。いやー、ほんと、何が原因なんでしょう…? 友人曰く「性能が高そうな割にちょこちょこと不具合の出るVIAのチップセット」のせいではないかとのことですが。確かにその筋ではあまり評判は良くないんですよね、VIAって。もちろん、MS謹製のService Pack1自体のバグという可能性もありますが。
 ちなみに、どうやら僕の目にはG400の画質が合うようなので、RADEONは余剰パーツで建造予定のゲーム機に搭載することにしました。440BXマザーにCeleron、Windows98 Second Editionでは、相性の出ようもないでしょう…たぶん。G400も2Dでは未だにトップクラスの性能を誇っていますし、DDR搭載とはいえバス幅が半分になったG450よりもパフォーマンスは高いはずです。あまりゲームには使わない、その割には長時間画面を眺めるメインマシンにはちょうどいいでしょう。どうもRADEONはドライバといいハードといい、まだ作りが甘い感じですね。今回の件でATIのビデオカードもちょっと敬遠してしまいそうです。やはりMatroxがいいですね。G800は本当に出るんでしょうか…。
 なんか無駄にRADEONを買ったような気がしないでもないですが、VEよりは性能良さそうだし、G400と比べて相対的かつ主観的にどうこうという話で、決して悪いカードじゃないです。高速3DとFSAAでゲームには貢献してくれるでしょう。もっともドライバがきちんとしてくれれば、の話ですが。


第14章 お茶の間機新生

 かねてより父がDV編集をしたがっていたので、お茶の間機をそれに対応したスペックに作り直すことにしました。また、ビデオデッキもテープを受け付けなくなっていたので、その代替としてS-VHSを導入し、S端子環境への移行も図りました。
 DV編集に必要なのは、IEEE1394端子。市販のPCならともかく、一般のマザーでIEEE1394端子が乗っかっているのは数少ないので、普通はPCIのカードで増設したりします。今回はMicroATXベースで組んでみようかなと思っていました。手堅くPentium!!!とi815のシステムで、全体で8万くらいに収めるようにします。
 ちなみに、お茶の間機はCRTディスプレイが使えない(置く場所がない)ため、TV出力での使用が前提になります。Geforce2MXの登場で、最近はTV出力の付いたビデオカードが増えていますが、G200で懲りた点として「ディスプレイを繋いだ上でないとTV出力をオンにできない」ことが挙げられます。何かの拍子(ドライバの更新時など)にTV出力が利かなくなった場合、わざわざCRTを繋いで設定し直すのはとてつもない徒労です。本当はG400にDHアドオンを付けようと思っていたんですが、\7000くらいと思ったより高価であり、しかもG200と同様、おそらくデフォルトではTV出力は利かないであろうということ、そしてG400専用なので他に流用できないという点で躊躇してしまいました。Geforce2MXも悪くはないのですが、こちらも多分デフォルトではTV出力は利かないでしょう。一方ATIのTV出力は評判ですし、デフォルトでTV出力がオンになっているという話を聞きますが、今さらRage128というのもアレだし、RADEON VIVOはかなり高いです。
 世の中にはNTSCコンバータなるものも出回っているのですが、そもそも使われることが少ないため、あまり見かけません。最近はPC上でTVを見たりキャプチャーすることが流行っているので、NTSC入力に対応したものはたくさんありますが、NTSC出力ができるものはそうそう見当たりません。一応あるにはあったのですが、\9800しました。そもそも、どの程度の画質なのかが不明です。
 いろいろ見て回っているうちに、とあるお店のベアボーンコーナーでちょっと気になるものを見つけました。i815Eチップセットにオンボードサウンド、IEEE1394端子搭載、LANも付いていて、おまけにオンボードのTV出力(S端子とRCA端子)もあります。まさにオールインワン。値段が\34800とCD/FDなしのベアボーンにしては少々高価ですが、マザーとケースとIEEE1394ボードとNTSCコンバータを別々に買うのとどっこいどっこいです。むしろ、みんな乗っかっている分、相性問題はまず問題なさそうです。何より小さいのがいい。いわゆるブックサイズというやつで、LPX規格です。外部AGPが使えないのが難点といえば難点ですが、オンボードでTV出力が付いてるし、よほど重いゲームをやらない限り、i815内蔵グラフィックで十分ではないでしょうか。これにアタリを付けておいて、後日資金を持って買出しです。
 よくよく探してみると、同じベアボーンが\32800だったり\31200だったりします。とりあえずCPUとハードディスクを調達。年明けから円安傾向で、徐々にパーツの値上がりが始まっています。またAthlon1GHzなども姿を消し始めていて、結構タイムリーに買ったんだなーなどと自己満足しつつ、そろそろ品薄のPentium!!! 850MHzを調達しました。使えるメモリがPC-100なので、866MHzに比べると割高な印象ですが、FSB100MHzの最高速品を税込み\28140で購入。133MHz CL=3で動くかも知れませんが、まあ安定志向ということで。ハードディスクはIBM DTLA-307045を税込み\17608で。本当は60GBクラスがいいんでしょうけど、予算の都合上。DV編集はハードディスクの速度が命なので、RAIDでも組んでストライピングできれば言うことなしですが、そこまでする余裕はとてもとても。
 肝心のベアボーンですが、色々見て回って、普通に使う分にはよさげなものはいくつもありましたが、オンボードでTV出力のあるやつは、ひとつしかなかったです。MSIのMS-6215というやつです。で、これにすることに決めたんですが、DV編集を行う以上、編集ソフトが必要です。IEEE1394カードには大抵付属しているのですが、果たしてMS-6215に付属しているでしょうか。付いていないと、別に買わなくてはいけません。MSIのサイトで見てみても、付属品についての記載はなかったです。一番よいのは店員さんに聞くこと。最初に発見したお店と\31200で売っていたお店で聞くと「付属していない」とのこと。諦めつつツクモの黒いビルに入って、適当なベアボーンはないかなーと見てると、件のMS-6215(\32800)が目にとまりました。何気なくスペック表示を見てみると、付属品の欄に「Video Studio SE」の文字が。念のために店員さんに聞いてみたところ、確かに付属しているし、MSIでIEEE1394端子のついてるやつにはみんな付属しているとのこと。
 その答えに感動して、最安値より\1600高かったけど、ツクモで買うことにしました。在庫が無かったので入荷待ちということなので、送ってもらうことに。すると送料は都内だし無料でいいとのこと。コンサル料+安心料+送料で\1600なら、まあいいかなと思いました。店員さんの態度もよかったし。
 で数日後、到着したモノを見てみると、確かに小さいです。容積比では牛さんの1/3くらいかも知れません。中身を見てみても、かなり作りこまれています。CPUソケットの真上にHDDマウントが来るので、専用のヒートシンクファンが付属してました。確かにリテールファンでは干渉してしまいます。でも冷却効率が悪いかというとそうでもなく、すぐ傍、ちょうどフロントパネルのところに排気ファンがあるので、HDDも兼ねて、冷却にも問題はなさそうです。マニュアルに866MHzまではサポートしていると書いてありました。また肝心のTV出力ですが、CRTと排他利用になっているらしく、マニュアルには「TV出力を有効にしたいのならCRTケーブルを外してTV出力の方を繋いでおけ」と書いてありました。どうやらデフォルトで利きそうな感じです。
 実際に組み立てを行うと、これがなかなか厄介です。スペースが狭く、各パーツが寄木細工のように絡んでいるので、順番を考えて取り付けないとダメみたいです。まずHDDマウントを外してCPUを装着。コアにシリコングリスを塗って付属のファンを付けます。ヒートシンクが横のコンデンサに接触しそうでちょっと怖いです。次にメモリを挿します。128MBのを2本。ついでにグラフィック内蔵のi815が剥き出しなので、大き目のヒートシンクを付けておきます。440BXのノースブリッジにだってヒートシンクが乗っていたんだから、ビデオコアを内蔵しているのに何もないのは怖いです。そうそう、親切なことに4MBのディスプレイキャッシュも付いていました。3Dのパフォーマンスは少しは良さそうですね。とりあえず電源を入れてみて、LEDから異常が無いことを確認します。
 牛さんから外したDVD-ROMを装着して、固定する前にケーブル類を繋げます。でも狭いのでちょっとやりにくい。その後に固定しますが、ビスの位置がCPUに干渉してしいたりして、ちょっと苦労しました。次に買い物ついでにヨドバシで買ってきたバルクのFDDを装着。コネクタはそれぞれ長さがきちんと合うようになっていて、かなり親切な作りです。ハードディスク用IDEケーブルはやはりというべきか、i815EだけにATA66対応80芯ケーブルでした。しかもちょっとスマートケーブルっぽくなっていました。マウントにHDDを固定します。片側はビスではなくてマウント自体にツメがあって、それをビス穴に引っ掛ける形になっています。ちょっと長め太めのビスを使って、HDDを固定しました。そしてCPU直上に設置。蓋を閉じます。
 ビデオの交換に伴うテレビ台付近の配線の苦労はさて置いて、PCを設置します。S端子、LAN、ライン出力、キーボード、マウス、電源と繋いで、S端子付きAVセレクターをPC側に切り替えてスイッチオン。素晴らしいことに、BIOS起動画面と思しきMSIのロゴが画面いっぱいに表示されました。Delキーを押してBIOSセットアップに入って各種設定を行った後、Win98の起動ディスクから起動します。FDISKで約2.5GBと残り全部にパーテーションを区切って、再起動後フォーマットをかけます。ちなみに、なぜか98の起動ディスクのフォーマットコマンドは「メモリ不足でシステムファイルが読み込めない」とのことなので、95の起動ディスク内のフォーマットコマンドを実行。無事にフォーマットされました。再起動後、再び98の起動ディスクから起動してCDからセットアップを立ち上げます。さすがにPentium!!!-850だけあって、Celeron333やPentium!!!-450よりも何となくサクサクとインストールが進行してますね。
 インストールが終わって、取りあえずi815内蔵グラフィックのドライバやIntel INF Update、LANドライバ、サウンドドライバをインストールします。その時に気づいたんですが、なんとIrDAポートもあったんですねー。本当にオールインワンです。i815のドライバは最新版(v6.1)ではなく一つ前の6.0でしたが、特に問題なく動いています。LANやサウンドも大丈夫だし、きちんとIEEE1394も認識されています。IE5.5やWMP7、リアルプレイヤー8をインストールした後、いよいよ本命のUlead Video Studio Basic SEのインストールに入ります。SEながらバージョンは最新の4.0なので気分いいです。ありがとうツクモの店員さん。
 まだDVが手元にないのでキャプチャなどは試していませんが、CPUパワーとメモリとHDD性能はそこそこあるはずなので、おそらく大丈夫でしょう。ハードディスクの容量がちょっと少ないのが心配といえば心配ですが、細切れでやれば大丈夫でしょう。いざとなったら、メインマシンへ退避することもできますし。
 ただ問題なのは、S端子とは言え、TV出力では640×480が実用レベルの限界ということです。ハードウェア的には800×600の出力も可能ですし、Video Studioは800×600以上でないと起動しませんが、どうも文字が見づらいです。いえ、見えないです。これはTV側の品質も関わってくるのでしょうが、我が家の19インチでは800×600はちょっと辛いです。TVにRGB入力でもあればいいんでしょうけど、そんな豪勢なものは付いてないですし。よく考えたら、そもそもTVの解像度が640×480相当(インタレースなので実際は320×240)なので、それ以上の解像度で見づらくても当たり前なんですけどね。そこでふと思ったのは、ハイビジョンクラスのTVなら実用になるのか、ということ。ハイビジョンやプログレッシブ対応TVなら1920×1035(ハイビジョンの水平走査線は1125本だけど)の解像度になるので、ノンインタレース扱いで解像度半分としても、そこそこ実用にはなると思います。実際にNTSCコンバータやS端子の出力がそれに対応するかは分かりませんが。
 最近、カノープスがD端子出力に対応したアドオンカードを出しました。D2〜D4端子に対応したやつです。D2端子は525i(現行NTSCの映像)と525p(プログレッシブ)に対応、D3端子はそれに加えてハイビジョン映像の1125i、D4端子はさらに750pに対応しています。D2モードでは720×480までですが、D4モードでは800×600の解像度がサポートされる他、1280×720という解像度もサポートされます。D3端子ではどこまで対応するか分かりませんが、このクラスになるとようやく実用になるという感じです。ただビデオチップ側にもハイビジョン規格の解像度の対応した出力が必要になりますけどね。この製品はカノープスのSPECTRAシリーズの専用オプションなので、今のマシンでは使えませんが、RGBからD端子への変換コネクタという将来の希望が見える製品ではあります。ただ、プログレッシブTV買うよりは15インチの液晶ディスプレイを買った方が遥かに安上がりなんですよね。そうするとわざわざTV出力付きのベアボーンを買った意味が半減してしまうわけですが、まあ普通に使う分にはi815内蔵グラフィックで十分なんですけどね。何よりオールインワンでコンパクトというのがいいです。横に液晶ディスプレイでも置けば、市販の省スペースマシンそのものです。
 さて、DV編集はまだやってませんが、試しにいくつかゲームをやってみました。G200では最速設定でもコマ落ちしていたセガラリー2ですが、解像度を640×480に落とした以外では画質優先の設定でやってみました。特にコマ落ちもなく、タイヤの砂埃まで出ているので問題はなさそうです。i815グラフィックの設定を見てみると、ビデオメモリは4.8MBとなっていて少々不安でしたが、3D専用キャッシュが4MBあるわけだし、実際に特に問題なく動いているので、合格です。他に電車でGO!やぷよSUNなどを試してみましたが、まったく問題なし。むしろ、今までのG200のRCA端子では切れていた画面の上下がきちんと入っているので、640×480画面を使ったゲームなら快適にプレイできます。
 次にDVD再生です。PowerDVD VR-Xを使いましたが、全画面表示でも問題なく再生できます。一部色のグラデーションがブロック状になってしまいましたが、ハードウェア再生支援を有効にするとそれも解消され、違和感なく再生できました。さすがPentium!!!-850だけあって、コマ落ちは一切ありません。ウィンドで再生する時は、映画などのワイドスクリーンのやつで解像度を800×600に変更するよう促されますが、これは仕方ないでしょう。
 というわけで、小さいながらも必要十分なスペックのお茶の間DV編集機が完成しました。
 次回は何を書こう…。


第15章 ギガロンを捨てて

 西暦2000年年末から2001年初頭にかけては、ギガロンこと1GHzのAhtolonに振り回されっぱなしでした。正確に言うと、Athlonプラットフォームに、ですけど。これまでに書いたような色々な苦労の末に、なんとかギガロン機はそれなりに安定したわけですが、本格的な運用に入った2月ころから、致命的な不具合が顕在化してきました。
 つまり「CD-ROM(DVD-ROM)から大きな、あるいは多数のファイルを読み込んでいると、突然落ちる」という現象です。Windows2000のイベントビュアーで見てみると、CDFSのエラーが記録されていることもありますし、BAD_POOL_ERRORのブルースクリーンが出ることもありますが、大概の場合は何の前触れも無く突然落ちます。しかも、まったく同じ条件で追試しても、落ちる場所が一定ではないというのが困ります。つまり、ある一定のサイズや数で落ちているというわけでもないのです。
 ネットで調べても同様の報告は見つからないので、ある種の相性問題かとも思いました。そもそもVIAのチップセットは、すこぶる快調に動くケースととことん不調のケースとの両極端に分かれるそうで、どうも今回はハズレのようです。
 IDE絡みの問題なので、IDEコントローラー周りの相性と考えて、アキバで格安のATA100-RAIDコントローラーを買ってきて、CDをそちらの方へ繋ぎかえることにしました。メーカーは不明ですが、あちこちで採用されているHigh Point TechnologyのHP370チップの載ったカードです。んで装着してドライバを入れて、いざ繋ぎかえたところ、CDを認識しなくなってしまいました(涙
 High Pointのサイトへ行ってドライバやBIOSを漁ったところ、Windows2000の環境で、CDだけを繋いだ時に認識されなくなるのは既知の問題だったようで、BIOSのアップデートで対応してしました。そこで最新版を落としてアップデート。と、なんかアップデート画面でBIOS-ROMの型番を聞かれます。なんて不親切な。ケースを懐中電灯片手に覗き込んで確認して、その型番を選んだところ、どうしたはずみか、違った番号を入力してしまったのです!
 プログラムからは「違うよー」と怒られたので、正しい型番を選択して実行すると、今度も怒られてしまった。なぜ? 数度正しい型番を選択しても同じ結果。念のために他の型番を全て試したけど、全部怒られてしまった。再起動してもRAIDカードのチェックのところで止まってしまって、その先には進めないです。でもカードを取り外すとちゃんと起動する。
 つまりこれは、BIOSを飛ばしてしまったという事態。ひえー。
 この段になって、Athlonマシン(というかプラットフォーム、とゆうかVIAのチップセット)に愛想が尽き果ててしまいました。いくらなんでも問題多すぎ。僕の手には負えない(問題解決の気力が失せた)と思って、Athlon1GHzとマザーをYahoo!オークションに出すことにしました。
 一応動くことは動くのでノーサポートで売りに出したところ、おかげ様で買い手がつきまして、先方では問題なく動いているようです(動作報告が届くまではちょっと不安でしたが)。その売却益でi815EPマザーと1万円前後のCPUを買うことにしました。Pentium!!!の1GHzもかなり安くなっていたのですが、それほどの予算がないので、やむなく1万円を切るCeleron733MHzを購入しました。FSB100MHzの800MHzもすでに出回っていましたが、価格が高いのと、733MHzでも十分高速であるという理由から、選びました。河童CeleronということでSSEにも対応していますしね。これもお茶の間機に入れて、お茶の間機に載っているPentium!!!-850MHzをメインに据えることにしました。
 マザーは出回り始めたi815EPマザーをターゲットに。i815系としては第2世代となるので、かなり安定した作りが期待できます。マザーボードも色々なメーカーを試したいので、今回は安定した動作と青い基盤で有名なGIGABYTEの安い方(GA-6OXE-1)にしました。ご自慢のDual BIOSこそありませんが、お値段も手頃なので即決定です。
 早速組み上げてみたところ、これ以上ないという程、順調に動いてくれました。もちろんCDからの読み込みで落ちることもないし、Athlonの時に見られた不安定さが払拭されています。いやもちろん完全に安定させられなかったのは僕の腕が悪かったということもありますが。しばらく色々試してみたところ、体感的にはPentium!!!-850MHzはAthlon1GHzと遜色ない速度であることが分かりました。もちろんベンチを取れば差がはっきりと出るわけですが、実際に使う分には気にならない速度差ということです。まあクロックだけ見れば「たかが150MHz」の違いしかないわけですし。むしろプラットフォーム全体で見た場合、安定感のあるPentium!!!の方がいい印象があります。いや、別にAthlonを否定している訳ではないですが。
 さて、こうしてAthlonからPentium!!!ベースとなった"Krakow"(クラクフ)ですが、実は密かにゲーム機と称して、余剰のCeleronとBH-6、RADEONなどを使って別にWindows98マシンを1台組もうとしていました。しかし、ケースに使う予定だった牛さんを友人に貸し出すことになったため、もし、もう1台組むなら新しくケースを調達する必要が生じました。ご存じでしょうが、ATのケースというのはピンキリありますが、新品では安いものでも5〜6千円しますし、それなりの品質を求めようとすれば、1万円以上の出費は覚悟する必要があるでしょう。さすがにそこまで投資するのが馬鹿馬鹿しくなって、素直にデュアルブートマシンにでもした方がいいというように考え直しました。
 幸い、というべきか、ハードディスクはIBMのDTTA-351010がありますし、メモリもゲーム機用(かつAthlonの相性チェックのため)にPC-133の256MBを確保してありました。そこで、メインマシンのビデオカードをG400からRADEONに換装、256MBメモリをもう1枚挿して、セカンダリのスレーブ(プライマリだとATA/66と干渉する恐れがあるため)にデータ用としてDTTAを接続しました。そしてWindows98と共用で使う可能性があること、実はWindows2000で使うとかなり速いらしいという理由で、Windows2000の区画もFAT32でフォーマットし直したのを筆頭に、全区画をFAT32に統一した上で各OSをインストールしました。
 ちなみに、MAXTORのHDDは工場出荷時にシリンダ制限のジャンパが取り付けられていて、Windows2000 ServicePack1のatapi.sysではそれを外さないと容量の認識に失敗して0x7Bエラーが出るようです。これが13章で問題になったブルースクリーンの正体です。それでそのジャンパを外してみたわけですが、Athlon環境では改善せずブルースクリーンのまま、Pentium!!!環境では、電源ON直後はWindows2000の起動に失敗しますがリセットすると起動できるという、変な現象になってしまいます。面倒くさいので、回復コンソールからSP1のatapi.sysをリネームしてバックアップされている古いatapi.sysに戻すことで、とりあえずの解決を見ていて、実際の運用でも特に問題ありません。この問題に関してはMSでQ271274として出ていたので、それを参考にしました。英文でしたが。
 閑話休題、13章でG400に比べてRADEONの発色が淡白とか書きましたが、あれからしばらく経ってドライバがかなり枯れてきたせいか、G400から換装した時にはほとんどG400との違いが感じられませんでした。確かにG400のコントラストはかなり深いので、最初はちょっと画面というか色の奥行きみたいなものに違和感を感じましたが、発色そのものは前ほど淡白でもなく、若干白が強いかなという感じで、それほど違和感はなかったです。これらはすべて「G400と比較すれば」という話で、絶対的な画質ではG400と遜色ありません。文字の滲みもないくっきりはっきりの画質で、最高品質と言ってもいいでしょう。
 念のために申し上げますが、人間の目というのはかなりいい加減なものですし、画面の見え方というのはディスプレイやマシンそのものの環境、その人の感覚や嗜好に強く影響されるもので、決して定性的な評価ではありません。従って、仮にこれを読んだ人の中にRADEONを購入して、その画質に不満を覚えたとしても、筆者は一切の責任を負いませんので、予めご了承下さい。
 というわけで、メモリも増えたしゲームにも使える3Dグラフィックを搭載したクラクフ改が誕生して、今日に至っているわけです。


第15.5章 686Bの不具合

 筆者がAthlonに早々に見切りをつけてPentium!!!へ移行した最大の理由は、「CDから多数の、あるいは大きなファイルをHDDへコピーしていると突然(かなりランダムに)Windows2000が落ちる」という現象が頻発したからです。最初はDMAを切ったりS.M.A.R.T.を入れたり切ったりしたりして色々試したのですが、一向に改善されません。サウスブリッジでありIDEコントローラーであるVT82C686Bの不具合か何かかなと思って、挙げ句の果てにATA/100-RAIDカードを買ってきて、CDかHDDをそちらへ繋ぎ変えようと画策しながら、単純ミスでカードのBIOSを飛ばしてしまって結局断念せざるを得なくなったというのは、15章の冒頭に書いたとおりです。今にして思えば、Office2000のSP1のインストールがうまくいかなかったりとか、AIRのインストール中に落ちたとかというのも、これに由来する問題のようですね。G400の時はたまたまうまくいったようで、RADEONのせいではなかったようです。
 そのときは漠然と「686Bの不具合だけど、他に似たような報告が見られないし、HDDかCDとの相性問題なのかな」と思って、「やっぱVIAダメ」とかいう結論に達してマザーを売りに出してしまったわけですが、よく考えてみればすげー無責任ですよね。まあ動かなかったり不具合がでたら返金&返品に応じる覚悟はあったんですが、今日まで特に何も文句を言ってこないということは、無事に動いてくれているようで、やっぱ相性問題なのかなという思いを一層強くしたわけですが。
 ところが先日、表の掲示板に???さんがSound Blaster Live!絡みの質問を書き込んで下さって、これ自体は直接上記の問題とは関係ないのですが、これに答えるために情報収集していたとき、Athlon系のサイトで686にバクがあって、その修正パッチが出ているという記述を見つけました。それによると、Sound Blaster Live!が接続されていて、686のIDEコントローラー上に2台のIDEデバイスを繋いでいるとき、1台からもう1台(うろ覚えだけどバス1上からバス0上だったかな?)へファイル転送を行うとファイルが正常に転送されない現象が起きるというのです。まさにバス1(セカンダリ)のCDからバス0(プライマリ)のHDDへのファイル転送がうまくいかなかったです。しかも僕の環境はLive!が入っていました。というわけで、どうやらビンゴのようですね。
 迂闊なもので、「不具合が起きたら最小構成で動かしてみる」という原則をすっかり忘れていました。もしLive!を外していたら、ちゃんと動いていた可能性もあったわけで、Athlonとマザーを売らずに済んだかもしれません。まあ今となっては後の祭りというやつですが。
 ちなみに、その686のバグ修正のパッチ(VIAからのものではなく、フリーのTweakツールに付属)を当てると今度はLive!にノイズが乗ってしまうという副作用があるようです。VIAのアナウンスではBIOSレベルでの修正で解決されると言っているようですが、実際に修正版BIOSが上がったABITのマザーでは、問題は解決していないようですし、なぜかβ版ドライバが上がっているVIAhardware.comでは「近日中に686の不具合を修正した4in1ドライバ出る」と書いていましたが、実際は4in1とは別にパッチが上がっているようですね。その後は特に何も聞かないので、それで修正されたのでしょう、きっと。
 というわけで、Athlonを見限る元凶となった現象の解決が、今頃になって見つかったわけです。もうちょっと腰を据えて、基本に忠実に取り組んでいれば、もっと早い時期に自力で原因を特定できたかも知れないですね。どうもVIAに先入観を持ちすぎていたようですし、大金をかけた自作機ということで、ちょっと熱くなって近視眼的になっていたかも知れません。自作機ユーザーとしてはあるまじき行動でしたね。今後はこれを教訓として、もう少し忍耐強く問題に取り組んでみようと思います。まあ、問題が起きないに越したことはないんですけどね…。


第16章 ノートPC

 時代はモバイルである。
 というわけではないが、PCの確保が難しい場所でPCを使う必要があったり、プレゼンを行う必要があったりと、それなりにモバイルマシンの必要性が出てきたので、ついにノートPCの導入を決意した。といっても、およそ1年前なんだなぁ。サボってました。
 コンセプトは、以下の通り。

 この条件に合うのって、B5ノートなんでしょうけど(A6サイズだとキーボードと画面に問題)、メモリが64MBだったり、Windows98だったり、結構高くなったりしてなかなか見つからなかったです。Crusoeマシンだと安いんですが、速度的にいまいちなのとメモリを余計に食ってしまうのがネックでした。
 そこで、BTOのできるDellからB5ノートのInspiron2100という機種をセレクト。ちょうどメモリ無料アップグレード期間中だったので、128MBへ無料でアップできました。その他、仕様も概ね満足できるレベルで、なんとか予算内に。
 実際の使用感では、HDDの速度がネックで、CPUのクロック(700/550MHz)ほど速度が体感できるわけではありませんが、PowerPointやWord、またMP3プレーヤーなどを単体で動かす分には、十分な速度と言っていいでしょう。たまにレスポンスに若干のラグが出たり、また全体的に一呼吸おいてから起動する、といった感もありますが、実用上は問題なしです。当初問題だったのは、Synapticsのタッチパットドライバの問題。タッチパッドの右端を上下になぞると、マウスのホイールのようにスクロールするのですが、その際にマウスカーソルがスクロールバーの上へ瞬間移動してしまう点が問題でした。スクロールをやめればまた元の場所に戻るのですが、カーソルを一瞬でも見失ってしまうので、ちょっとアレでした。その後、ドライバの更新で、その問題は解消されていますが。
 あとは、音声出力にヘッドホンをつなぐと、音声再生時にノイズが乗る問題かな。本体内蔵スピーカーではノイズ出ないんですが、ヘッドホンをつなぐとノイズが乗ります。しかもHDDのアクセスとかに併せてノイズが大きくなるし。これは仕様、でしょうかね。
 Windows2000の起動に延々時間がかかるのも、WindowsXPの導入とBootVisによって、大幅に短縮ができたし、今のところ取り立ててトラブルがあるという訳でもなく、さすがに大手PCベンダーだけあって、安定性と使いやすさは抜群ですね。A4サイズなど、省スペースデスクトップの代わりになるようなノートだと少数ながらベアボーンもあって自作も可能なんですが、さすがにB5だとBTOがせいぜいですよね。欲を言えばキリがないですが、現状で概ね満足なので、これはこれで長く使っていくと思います。


第17章 ブロードバンドへ

 一時期は、やれIP over ISDNだ、ISDNから光への移行が本命だなどと叫ばれていましたが、某YBBのおかげでADSLの高速化・低価格化が一気に進行し、折からのマイライン競争の後押しもあって、キャリア各社が凄まじい低価格競争を仕掛けてきました。折からフレッツ・ISDNへ移行して常時接続環境を検討していたのですが、ISDN基本料とフレッツ接続料、プロバイダのコストなどを勘案すると、ADSLとの価格差は速度差よりも遙かに小さいという結論が出ました。たまたま家はKDDIのマイラインプラスを契約していて、それだとDIONのADSL8M(ホールセール型)にすると月額300円引きというお得さ。NTTの回線使用料やモデムレンタル料もありますが、いろいろ計算しても、フレッツ・ISDNにした場合と大した違いがなく、その割に速度は8Mbps(実際はもっと遅いけど、それでもISDNの数十倍以上)ということで、コストパフォーマンスの点からもADSLへの移行が適切であると判断しました。いや、B・フレッツも来てはいたんですが、住居が集合住宅かつ借り物なので、下手にいじれないという問題もありまして。
 んで、DIONのADSL先行予約に申し込み。いちおう東京23区内なので、サービス提供地域になっています。ISDNからアナログへの切り替えもありますが、一度アナログからISDNへの切り替えをやっているので、たぶん番号の変更は無いだろうと思っていました。ちなみに、2001年10月18日に申し込んだんですが、その同じ日、当時使っていたプロバイダの246-netもeAccessを使ったサービスを始めると発表(DIONはAcca)。あと1日早ければ…と思ったのですが、値段はDIONの方が安くて、差額で246の一番安いコースの料金も捻出できるので(メールアドレスとWebサーバースペース用)、まあいいでしょうと。ちなみに、当時の開通見積もりは、12月中旬から1月にかけてとされていました。
 実際に工事案内が来たのが12月05日で、工事日が12月19日ということで、どうやら年内開通ができそうです。モデムも無事に到着して、いよいよ工事当日。NTTさんからの電話の後、20分くらい経ってから、モデムをつないでPC起動! Webブラウザからモデムへアクセスするのですが、プロバイダから送られてきたIDとPassを何度入れても入れない。電源を入れ直したり(スイッチが無いので、ACアダプタ挿抜)、PC再起動したりしましたが、ダメです。おかしーなーとマニュアルを見直してみると、ネットアクセスの際のユーザー認証ID/PassとモデムアクセスのためのID/Passが別物であることが判明。そりゃそーか。
 気を取り直して、モデム管理用のID/Passでログインすると、無事にモデムの管理画面が出てきました。そこでプロバイダからのID/Passを入れると、しばらく待った後、無事に接続できた旨のメッセージが。ブロードバンド速度テストのサイトを開いて(そのレスポンスだけでもISDNよりも遙かに速かったけど)テストしてみると、どうやら4〜6Mbpsくらい出ている感じです。はえー。モデムのステータスを見ると、リンク速度は7616kbps、S/N比は6.5dB、線路損失が26dB、線路長は0.62kmとなっています。Accaにしては速いそうです。ノイズはともかく、線路損失がちょっと多くて、それでフルリンク(8064kbps)になっていないと思いますが、基地局との間に鉄道線路とかありますから、そこそこ出ている方ではないかと思います。速度よりも「常時接続」という環境の方が重要だし。
 ということで、ネット接続環境が飛躍的に向上して快適な生活が送れるようになりましたとさ。


第18章 夏の夜の新マシン

 いろいろ思うところがありまして、ビデオキャプチャでもしたいなーと思い立ち、MTV1000を買ったのが確か1月の頃。まあ某カノなんとかに間に合わせたという噂がありますが。テストついでに録画したラーなんとかにもハマって、さらには春からの諸番組の録画と、かなり使い倒している感があるMTV1000です。しかし、ただ録画しておくだけなら問題はないのですが、MPEG2の高画質モードで録画しているので、30分で2GB近くになります。このままではDVD系書き込みメディアの無い我が家では保存できないので、MPEG4形式に変換した上で、CD-Rに保存しています。
 その手順もなかなか面倒で、まずカノプーのMPEGカッターでCMカットした後、それを保存、さらにデマルチプレクスして映像と音声を切り離します。んで映像(m2v)はDVD2AVIで.d2v形式のプロジェクトを作って、一方音声(m2a)は、Winampでwavにデコードした上で午後のこ〜だで.wav形式のmp3(128kbps)に変換します。んでAVIUtilで.d2vを読み込んでmp3を読み込んで、最終的にMS-MPEG4 v2のAVIファイルに変換するわけです。本当はもっとスマートな手順があるんでしょうが、これが一番トラブルが少なく行けた方法なので、以来これでずっとやっています。問題は、時間がかかること。まずCMカット後の保存とデマルチプレクス後の保存に時間がかかります。まあ単純にファイルを書き出しているので、サイズを考えれば仕方ないんですが。そして何よりMPEG4のAVIを吐くのに時間がかかります。30分弱の変換に2時間以上かかります。春以降、だいたい週4本録画していたので、一度に変換しようとすると、最終の変換段階で8時間以上、まらその前処理の段階でも1〜2時間程度かかってしまいます。仕方ないので夜、寝てる間PCを点けっぱなしにして変換作業をさせていますが、たまに朝起きても変換が終わっていない時も。これではいかん、ということで、速度向上と、あと時間が無くて処理が間に合わず、サイズのでかいMPEG2のままため込んでしまう事態を想定して、HDDの容量増加の2点が急務となりました。
 そこで、新マシンの計画に入ったわけです。長い前置きだ。んで、候補は当然のことながらPentium4。特にMPEG4変換のようないわゆるマルチメディア処理には威力を発揮するはずです。マザーは当然i845チップセットので。折からFSB533MHzに対応したi845Eも出始めましたし。845系ということは、当然メモリはDDR-SDRAMがコストパフォーマンスでは最適です。問題のハードディスクは、容量が大きくて、静かで速いやつ。80GBクラスを見ると、流体軸受を使って静音性を売りにしたのが、SeagateとMaxtorの2社から出ています。しかしMaxtorは5T030H3によるWindows2000の0x7BのBSoD問題で、僕的に印象は最悪です。しかも、評判を聞く限りそんなに静かではないとか。他にもIBMとかWesternDigitalとかありますが、いずれも使ったことのあるメーカーなので、今回はSeagateにしようと決定。修士論文の中間発表やら公務員試験の勉強やらの合間を縫って価格調査に入りました。実際に買えそうになるのは、なんだかんだ言っても夏になってから。それ以前にも暑い日はあったわけですが、一晩中マシンを点けっぱなしにしておいて、しかもCPU負荷100%の作業していれば、そら部屋の中暑くもなります。PC、特にCPUなんて何ら物理的仕事をしないので、消費した電力はそのまま熱として発散されるわけで、だからこそヒートシンクやらファンやら水冷やらの冷却が必要になってくるわけです。つまり、PC点けっぱなしで作業させてれば、必然的にPCからの排熱で部屋が暑くなるというわけです。
 1年や2年で分かる地球温暖化ではそれこそ地球(というか人類)の一大事ですが、毎年暑くなっているのは確かなようです。この上、さらに消費電力の大きいCPUを積んだ日には、夏はとても空調なしではやっていけなくなるでしょう。朝から暑いわけですし。そしてPentium4はその登場当初から「電気食い」として名を馳せていました。このサイトを見るとよく分かりますが、Wilametteコアの2GHzなど75W以上の熱容量、最大電力は100Wを越えるものとなっています。あの電気食いと呼ばれたAthlonを遙かに上回る消費電力です。当然、発生する熱も相当なものとなります。プロセスルールを0.13μmへ縮小し、電圧も1.75vから1.50vへと引き下げたNorthwoodコアでも、平気で50W前後の熱設計で、最大消費電力でも50W以上〜最大で80W近くまで行っています。一方で、処理速度の方はというと、クロックの向上とSSE2の実装により、全体的なパフォーマンスは確かに向上していますが、登場当初から、そのクロックに比しての性能の低さ、特にOffice系アプリケーションでの性能の低さが指摘されています。一説には、Wilametteコアとの比較ですが、マルチメディア系では、Pentium41.4GHzと、Office系ではPentium4-1.8GHzとPentium!!!-1.20GHzが同等性能である、とさえ言われています。Northwoodコアで比較しても、Pentium4-1.8AGHzは50〜60Wの消費電力、一方でPentium!!!-1.20GHzは30W前後と、およそ2倍の差が出ています。特にWindows2000系では、CPUアイドルプロセスが動いていて処理の無い時にはCPUを休ませているので、常時この電力で動いているわけではないですし、アーキテクチャが異なるので一概に比較はできないですが、性能において圧倒的な差があるとは言い切れないのに、この電力差というのは、何か釈然としないものを感じます。
 世間様のトレンドは「エコ」なのに、なぜPCだけ時代に逆行するか、と思い、性能と消費電力を両立させたマシンへと方針転換することにしました。実際、仮に現行のPentium!!!-850MHzからPentium!!!-1.20GHzへと乗り換えた場合、単純にクロック比で40%程度の性能向上は見込めるはずです。またFSBも100MHzから133MHzへと30%向上するので、その分も若干性能が良くなるはずです。ちなみに、DDR-SDRAMもSDR-SDRAMに比べれば電気を食うらしいので、メモリもPC-133にしておけば、ここでもエコです。つか、P6アーキテクチャはもともとメモリバスの影響を受けにくいような設計になっているので、いたずらにメモリ帯域を増やしても、性能向上は見込めないという話ですが。
 問題なのは、Pentium!!!-1.20GHzは0.13μmのTualatinコアですが、今使っているマザーでは動かないことです。もともとマザーからの交換を考えていたわけだし、環境への投資だと思えば別にいいかーと考えて、マザーも交換することにしました。845のマザーよりも安いし。んでCPUは、現行手に入るPentium!!!の中では、もっともコストパフォーマンスの良いPentium!!!-1.20GHzにしました。欲を言えばPentium!!!S-1.4GHzなんですけど、高すぎ。値段とクロックで言えばCeleron1.4GHzなんですが、FSBと、あとL2キャッシュの性能と消費電力を考えて、結局はPentium!!!-1.20GHzにしました。
 マザーは今使っているGA-6OXE-1のTualatin対応版、GIGABYTEのGA-6OXET-Aにしました。815EP B-stepで1万を切っているシンプルなマザーとしては、ベターな選択かと。ただメモリはPC-133のCL2のが欲しかったんですが、メモリ高騰中なのでしばし見合わせです。安くなってから調達しましょう。んでハードディスクは、値上がりかけのSeagate Barracuda ATA IV 80GBを入手。OEMではなくST型番のやつを。ついでに、NICもIntelのPRO/100Sのを買いました。今までのが、ACPIに対応していない、VIAの86C100Aというチップのだったので。
 そして組み立て。マザーを取り外して、新しいのに付け替え。CPUはお茶の間機に移植予定で、お茶の間機のCeleron733MHzは、今まで使ってたマザーとセットで友人宅へ里子へ出すつもりです。んで余計なカード類を挿さずに、VGAとHDDとCD、キーボードとマウスのみで起動。問題なくCPUとメモリを認識していることを確認してから、WindowsXPのインストールにかかります。その後、各種カードのインストールなど一通り終わってから、マスターのセカンダリに今まで使っていたHDDを接続して、データの吸い出しを行って、今までお茶の間機についていたMaxtorの5T030H3を外して、こちらへ。データ用ドライブとして活用するつもりで接続です。パーテーション切り直そうと管理ツールからディスクの管理を起動したところ、なぜが1.97GBしか認識せず。しかも未フォーマット。おかしーなーと思いつつ再起動すると、今度はちゃんと見えたので、フォーマットし直して、データを転送します。バラ4は本当に動いているのかどうか分からないくらい静かですが、5T030H3もそれなりに静かです。んで、何かの都合で再起動して後、マイドキュメントに設定したDドライブ(5T030H3)へアクセスしようとすると、怒られてしまいます。ターゲットが存在しないとか。Dドライブを開こうとすると、フォーマットされていないとか言うし、ディスクの管理から見ると例によって1.97GBしか認識されていない。
 ほんと、どうやら5T030H3はWin2000系でNTFSで使うと相性が出るという噂ですが、本当ですね。Windows2000の時はSP1入れると0x7BのBSoDで起動しなくなるし、XPでかつセカンダリでもダメでしたか。仕方ないので今まで使っていたIBMのDTLA-307045をセカンダリとし、設定し直しました。こちらは全く問題なし。逆に動作音が少し大きいので、動いているがはっきり分かりますね(笑
 とりあえず、BootVisで調整したところ、起動がWindows2000の時に比べて圧倒的に速くなりました。この調子でエンコードの速度も向上してくれると嬉しいのですが…。とりあえず、午後ベンチで計測したところ、だいたいPentium!!!-850MHzと比べて40%程度の性能向上が見られました。850MHzの時が約12倍速相当で、1.20GHzでは約17倍速相当ということで、まあクロック比相当ですね。メモリとかもうちょいチューニングしてみようかな。
 一方、お茶の間機は5T030H3をシングルドライブで使うことにしましたが、最初のインストール時は全く問題なかったです。しかし、WindowsUpdateでHotFixをかますと、次回のコールドブート時(電源入れ直しとか)に0x7Bの(おなじみの)BSoDが出て、起動できなくなってしまいました。前回正常起動時の構成でも起動できず、仕方ないのでXPのCDから修復(実際は再)インストールを行って、HotFixを当てない状態に戻しました。この状態だとコールドブートでも問題ないので、特にネットにつなぐこともメールを使うこともないので、別にこれでいいかな、と。つか、本当に罠ですか? NTFSだと相性出るんでしょうか。今度はFATでやってみようかな…。
 とりあえず、夏を少しでも涼しく快適に過ごすためのマシン作りは、方針急転換ながらも一応の完成を見たのでした。暑いことは暑いけどね…。


第19章 究極進化…?

 またもやご無沙汰です。
 なんやかやで、何とか定額収入を得られる身分となりまして、ちょっとばかし懐が暖かくなったせいで、気が大きくなってしまいました。ソケット370の最終形態、Pentium!!!-Sの1.40GHzを購入してしまいました。マザーが無いので、今のところシングルですが。
 ついでに、というのもアレですが、ほとんどベンチ目的でRADEON9600も購入。これで3DMark2003や、某ゆめりあベンチでウハウハ…のはず。ということで、さっそくベンチです。
 ついでに言うと、念願のMillnniumP650も査収。…まあ性能は推して知るべし。

CrystalMark-GDI(score)
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
Text610671594600
Square486573563586
Circle643755648993
BitBlt72587210891831

 概ね、どれも横並び、という感じですかね。RADEON9600が軒並みRADEON9000に負けていますが、GDIもメモリバスの影響を受けやすいみたいなので、64bitバスの弊害が出ているみたいです。
 ここで注目すべきは、P650の速さでしょうね。BitBltではRADEONの2倍前後の数字を叩き出しています。さすがMATROX。2Dの神話は健在ですね(逆に、P650のアドバンテージはこれだけ…)。

CrystalMark -DirectDrow(fps)
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
10425.62430.54306.41271.69
100337.19340.53253.09222.26
500154.33172.79141.91131.74
100087.9499.5491.6186.11
500019.9122.8022.5323.16
1000010.1111.5911.4312.09

 ここでもRADEON9600の低調が目立ちますが、これもメモリバスの狭さに起因してそうです。
 ちょっと面白いのは、P650が、高負荷時にRADEONを逆転していることですね。大した差ではありませんが、何となくMATROXの意地が見えます。

3DMark2001SE
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
Game1-low81.991.282.950.5
Game1-high32.540.139.028.5
Game2-low94.994.190.153.8
Game2-high51.051.960.833.3
Game3-low92.6100.688.860.1
Game3-high41.247.647.132.0
Game424.524.527.814.1
Fill Rate(single-texturing)540.2540.2380.7254.7
Fill Rate(multi-texturing)986.9988.51253.3953.3
High Polygon Count(1 light)19.519.530.613.4
High Polygon Count(8 lights)4.54.58.04.6
Environment Bump Mapping120.9121.299.860.8
DOT3 Bump Mapping68.068.055.443.6
Vertex Shader57.557.675.842.0
Pixel Shader81.882.096.937.2
Advanced Pixel Shader63.163.162.433.5
Point Sprites15.415.48.27.7

 まあ、ぷちぱふぇで3Dは正直期待していませんでしたが、RADEON9000にさえ負けているというのは、正直、ショックでしたね…。
 ここでもRADEON9600の低調は見えますが、フィルレートの高さや各シェーダーのスコアを見ると、チップ自体の性能はそう悪いものではないことが分かります。  あと、2Dテストは比較的CPU速度の影響を受けていましたが、これはそれほど受けてはいないようですね。まったく影響が見えないわけでもないですが。

3DMark2003
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
Game Test155.056.957.532.7
Game Test25.25.210.02.4
Game Test36.16.29.42.4
Game Test4N/AN/A13.1N/A
Fillrate-single517.9518.0331.5252.7
Fillrate-multi978.3978.31062.4733.8
Vertex Shader3.43.48.22.6
Pixel Shader2.0N/AN/A17.3N/A
Ragtroll3.73.76.71.6

 さすがDirectX9対応ベンチだけあって、ここではRADEON9600が本領を発揮してくれました。代わりに、「DirectX9世代初のGPU」と騒がれたぱふぇコアのP650の成績は、見ないことにしましょう(笑
 シングルテクスチャのフィルレートが低いのは、やはりメモリバスの影響でしょうかね…。128bit版との比較ができればはっきりするんですが。

FF XI Bench
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
3033356235352401

 実は、みんなが一番興味がありそうなベンチ。思いっきり出ていますが、このベンチはCPUの影響をモロに受けます。一方で、RADEON9000と9600の差はさほど無いですね(というか9600が低い)。どうやらCPUとGPUの総合力で決するようなベンチのようですね。ぷちぱふぇの成績は…RADEON7200クラスですよ、この数字(汗

ゆめりあベンチ
Pentium!!! 1.20GHzPentium!!!-S 1.40GHz
RADEON9000RADEON9600MillenniumP650
それなり4463446756893084
綺麗3406340745993076
最高N/AN/A2487N/A

 一部で人気爆発?のDirectX9対応ベンチ。
 スコアを見ると分かりますが、CPUの影響をほとんど受けないので、GPU本来の性能が如実に現れる、貴重なベンチです。見た目に拒絶反応を示す人が多いんですけどね…(逆に見た目に惹かれる人も多いらしいけど)。
 ここでは、RADEON9600が順当に好成績を修めていて、当然ながらDirectX9対応の「最高」も完走できます。一方で、P650が、「それなり」と「綺麗」でほとんど変化が無いのが謎です。DirectX7の実装がいい加減なんでしょうか…。でも、画質はRADEONよりも綺麗に出てるような気がしました(主観)。細かいところまでクッキリ見えるって感じでしょうか。

 ということで、低価格?ミッドレンジビデオカード夏の陣をお送りしましたが、総評としては、

 という感じでしょうか。ちなみに、Pentium!!! 1.20GHzから!!!-S 1.4GHzへ乗り換えた感想としては、「キビキビ動くようになった」ことが体感できました。電圧も実は1.20GHzより低いし、その割に性能いいし、さすがソケ370の最終形態ですね(^^


第20章 究極進化その2

<2004/01/10)

 ごきげんよう。
 すでに各所で論じられておりますが、2003年はPC的にはあまりパッとしない年であったと言われています。動作クロックの伸びは頭打ちとなり、NetBurstアーキテクチャでひたすらクロック向上を続けてきたIntelも、2003年には3.06GHz→3.2GHzと、1年で「わずか」140MHzしか向上していません。代わりに2MBのL3キャッシュを搭載したPentium4 Extream Edtionを出しましたが、これも動作クロックは3.2GHzのままです。3.4GHzが出るかも?という噂もありますが、どうやらNorthwoodコアの動作クロックは限界に達したと見て良いでしょう。
 そのNorthwoodの後を継ぐべきPrescottはトラブルによりデビューが延期されています。そろそろ出てくるとは言われていますが、90nmプロセスでより問題となった漏れ電流の増加により、プロセス微細化にも関わらず消費電力はむしろ増大し、2004年のIntelプラットフォームは、冗談ではなく100wクラスに到達します。一方でL2キャッシュを1MBに倍増し、HyperThreadingの性能向上、SSE3の追加を行ったにもかかわらず、クロックあたりの処理速度は低下し、同一クロックではNorthwoodよりも性能が若干悪いかも?という情報もあったりします。
 そのIntelの間隙を突くように登場したのが、AMDのAthlon64(Opteronも含むHammerファミリー)です。もともとPentium!!!時代から同一クロックで比べればIntelと同等かそれ以上の性能だったAthlonは、Pentium4が(性能を犠牲にして)クロックを上げていった時、それに対抗するためにモデルナンバーを採用。実クロックではPentium4よりも低いながらも、実質的な性能は同等であることをアピールしてきました。
 そして今回、32ビット命令にも完全互換な64ビットCPUとしてAthon64が登場。動作クロックは2GHz台ながら、その性能は概ねPentium4の3.2GHzクラスに匹敵するという、クロックあたりの性能の高さは健在です。しかも64ビット対応。
 何より嬉しかった、というより、これが決め手になったのがCool'n Quietという機能でした。これはCPU負荷が低いときには電圧と動作クロックを自動的に下げて消費電力と発熱を抑えるというもの。もちろん負荷が高くなれば勝手にデフォルトに戻してくれます。今まで消費電力が少なく、従って発熱も気にならなかったPentium!!!を使っていた身としては、Pentium4の電気のバカ食いは、もう相手にするだけ馬鹿馬鹿しいものでして、低消費電力で高性能、という図式は、バカなアメリカ人には永遠に理解できないのかなーと思っておりましたとも。
 とはいえ、一応Intelプラットフォームの安定性は評価しており、PentiumM(Banias)がデスクトップでも使えるなら…と思っていたのですが、AGPスロットを搭載したマザーが出る気配もないので、将来性も見越してAthlon64に行ってみますか…ということになりました。
 いえ、AthlonXP2500+くらいで組んでDualChannel版Athlon64を待つという手もあったんですが、それやってると多分すぐPCI-ExpressやDDR-2が来てしまいそうなのと、えるむさんとこのベンチを見たら、3000+で十分じゃねーかと思ったのとで、年末にいきなり安値で登場したAthlon64 3000+に突入してみました。
 マザーは、多少遅いらしいですが、Cool'n Quietに対応してかつ安定して機能しているASUSのK8V Deluxeに。MSIでも良かったんですが、オンボードLANが3Comだったのと、未だにASUSのマザーの使用経験が無かったので、使ってみようと。メモリはElpida/SanMaxのPC3200/512MBのを2枚。これは年末はメモリが値上がりするので、と思って12月早々に先行して確保しておいたんですが、Athlonマザーの定番のNF-7系で相性問題が出たらしくて、そのあおりで多少値下がりしましたとさ。くそ。あとHDDはデータ用にSeagateの160GB/8MBキャッシュ。SATAへ行っても良かったんですが、SATA版はうるさいらしいのでパス。100GBプラッタも、初物価格なのでパスでした。
 その他は旧マシンから流用。
 つことで、12月23日に組み立ててみたんですが、K8VのQ-Fanというファンコントロール機能がなかなか優れものなのと、Athlon64自体の発熱がさほどでもなかったのか、Windowsのインストール中でも、しばしばファンが止まっていました。Athlon64のクーラーは当たりはずれがあるらしく、はずれを引くと爆音らしいのですが、僕のは日ごろの心がけのせいか(コラ)、静かなものでした。キャッシュ半減の3000+ということで、それほど一生懸命冷やさなくても大丈夫ということでしょうか。ともあれ、(体感的)騒音レベルとしてはPentium!!!の頃と何も変わっておりません。
 と、ここまでは順調だったのですが、トラブルが何件か。

 ですが、全体としては驚くほどすんなり動いております。以前にAthlonで組んだときにはトラブルが頻発して、結局諦めてしまったわけですが、今回はそんなことはなく、むしろ今までと同等かそれ以上に安定かつ高速な環境になったわけで、これは珍しく正解な選択だったかも…と自画自賛している今日このごろ。
 ベンチはP650が戻ってきてから(^^;


第21章 ゲーム機への道

(2004/06/13)

 高速かつクロック比性能の高いAthlon64に乗り換えて約半年。極めて快適に使えております。何より嬉しいのは、Cool'n Quietという機能によって、CPU負荷の低いときにはクロックと電圧を自動的に下げられることです。これによって消費電力の削減が図れますね。もっとも、現在ではCrystal CPUIDというソフトでちょっと設定を変えているんですけど。
Cool'n Quietデフォルト設定

現行の設定  以上の設定で何も問題なく動いています。低速時のクロック上昇(CGコア並み)と全体的な電圧下げが主眼ですが、約1vで1GHz動作って、下手なノート用CPUよりもいい感じかも知れませんね…。もっとも、ゲーム始めると途端に最高速へ跳ね上がってしまいますが、それでも電圧下げてますので、デフォルトに比べれば消費電力と発熱は確実に下がっていると思います。
 んで、ベンチ。

3DMark2001SE
Athlon64 3000+
MillenniumP650RADEON9600GeForceFX 5900XT
OverAll3863550815740
Game1-low51.067.5230.1
Game1-high29.738.182.2
Game2-low54.282.7272.4
Game2-high33.455.0152.8
Game3-low60.578.6232.7
Game3-high33.049.9107.4
Game414.118.177.1
Fill Rate(single-texturing)255.5380.11434.5
Fill Rate(multi-texturing)953.31264.42863.9
High Polygon Count(1 light)13.632.686.5
High Polygon Count(8 lights)4.78.023.7
Environment Bump Mapping56.991.0250.8
DOT3 Bump Mapping44.032.1216.1
Vertex Shader42.444.3144.1
Pixel Shader37.854.5192.3
Advanced Pixel Shader33.540.4105.4
Point Sprites7.78.332.3

 えっと…まともにコメントするのも馬鹿馬鹿しいんですが、ここまで水をあけられると、正直ちょっと悲しいものがありますね。というか、ぷちぱふぇとRadeon9600(64bitバス)の差なんて、Radeon9600とゲフォ5900XTの差に比べれば大したこと無かったんですねぇ。ちなみに、前回の鱈鯖1.4GHzの時と比べると、微妙にRADEONの成績が悪いような気がします。

3DMark2003
MillenniumP650RADEON9600GeForceFX 5900XT
OverAll47816145150
Game Test134.755.7182.4
Game Test22.79.334.1
Game Test32.68.429.0
Game Test4N/A12.130.8
Fillrate-single238.5331.41270.7
Fillrate-multi968.81189.22763.3
Vertex Shader2.68.216.9
Pixel Shader2.0N/A13.341.8
Ragtroll2.06.317.5

 …比較対象を完全に間違えたのでしょうか。価格差で1万円ないし1万5000円で、ここまで露骨な差が出てしまうと、ちょっと悲しいような気がします。まあDirectX9.0対応ゲームはこれからなので何とも言えませんが、このクラスの性能ならLonghornにも十分対応できそうです、たぶん。というか、3Dやるとモノによっては酔ってしまうんですけどね。

FF XI Bench
MillenniumP650RADEON9600GeForeceFX 5900XT
327751866273

 やはりCPUとビデオカード双方に影響されますね。逆に言うと、Athlon64クラスではGeForceFX5900クラスでないと性能を引き出せない、ということでしょうか。

FF XI Bench 2
RADEON9600GeForeceFX 5900XT
Low43785719
High25413898

 メモリバスのせいか、負荷の高いときの性能差が出ていますね。

ゆめりあベンチ
MillenniumP650RADEON9600GeForceFX 5900XT
それなり3155542110717
綺麗312044358943
最高N/A25965246

 今までのベンチでも分かりますが、基本的にゲフォがRADEONの約2倍の性能ってことがこのベンチでよく分かります。ぷちぱふぇもDirectX8.1系では実はそれほど悪い性能ではないらしいってのも分かったりしますけど。

 何と言いますか、8パイプ256ビットバスというチップの性能がモロに出てしまったわけでして。RADEON9600に比べると、パイプで2倍、メモリバスでは4倍ですからねぇ。帯域を言えばクロックが2倍近いので、もっとでしょうか。
 このくらいのビデオカード積まなければ勿体無い、ということなんでしょうかね…。まあ性能は申し分ないんですが、電源を別に供給しなければならなかったりして、電気食いっぽいのが傷ですね。というかゲフォ系が総じて電気食い/発熱大きいですが。その意味で、RADEON9700/9800系の方がバランスは取れているかも知れません。今は地雷も多いんですけど。  ちなみに、ゲフォのドライバはレジストリをいじると、コア/メモリクロックの設定が行えます。しかも2D時と3D時と分けて設定できるんですね。デフォルトでは300/700と390/700に設定されていますが、それを250/700と350/700に変更して、多少なりとも発熱と消費電力の低減を画策しています。ファンは公称28db以下と静かなんですけど、今までファンレスで来たので。
 ぷちぱふぇは、来るべきPentium Mマシン用として取っておきましょう。んでAthlon64マシンはゲーム機兼サブマシンかな。


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