ここのところ、食事会や、介護施設でのお習字の介助などのボランティアで
ちょっと忙しかった。それほど時間をとられるわけではないのだが短時間でも家を空けるとなるとなんとなくせわしく感じる。
お習字の介助はほんの2,3分のところにある病院なので集合時間の5分も前に家を出れば間に合う。ボランティア仲間が集まったところで、2階の会場に行ってテーブルの上に道具類をセットしているうちに、入院患者さんたちが集まってくる。皆さんとても礼儀正しく、熱心にお手本を見ながら書いている。
離れたところにぽつんといるお婆さんに呼ばれた。「申し訳ないんですが私まだお食事を頂いてないんですが」と言う。そういえばこの方はつい先日上の階の一寸認知症がかった人達のグループの中にいたなと思い出した。症状の改善でこちらに移ったのかなと思いながら確かめることができなかった。
その方が空いたテーブルのところに来たので書くようにすすめると「大正時代から書いたことが無いのですが、書けるでしょうか」と言いながらも一生懸命二文字書いて署名も腕が震えると言いながらも「大丈夫線はしっかりかけてますよ」というと最後まできちんと、見事に書いた。
渾身の力を出し切った感じだった。「疲れましたね〜。とても良く書けましたよ。」と声をかけると両手で目を押さえて涙ぐんでいた。前回上の階では二文字目の時は根気が無くなったのか小さな字になって投げやりだった記憶があるので、今回の気力に感動した。
明治43年生まれだとか。ボランティアをしているお仲間の93歳の方を呼んで相手をしてもらうと二人で仲良く話をしていた。
編み上げたレースの小袋を送る為の封筒が見当たらず、主人に尋ねるとゴミに出したと言う。せっかくとって置いたのにと文句を言っていたのだが、先程
PCの音声がイヤホーンを通してしか聞こえないので設定を変えたいとマニュアルを探して机の下を覗いたら、そこにちゃんと封筒が。
あのお婆さんと、私達との差は年齢の差だけなのではなかろうか。(^_^;)
|